もはやカンタベリー・ミュージックの範疇をはみ出ているような気がするが …
1998年にリリースされたスラップ・ハッピーの最新オリジナル・アルバム。1974年にヘンリー・カウとの共同名義で発表された「Desperate Straights」の直後にグループは解散したわけなので、アルバムとしては24年ぶりに作られたことになる。
(この間、1982年に一回だけライヴを行ったことがあるらしい。)
1970年代のアルバムはまだ入手可能だというのに(とか言っているくせにまだ私は買っていないのだが)このアルバムは廃盤。インターネット上の中古CDショップで探して入手した。
「Desperate Straights」以前のスラップ・ハッピーはまだ聞いたことがないのでよく知らないのであるが、その「Desperate Straights」の先鋭さに比べると、この「ca va」ではとんがったところが全然ない。1998年時点の同時代の音楽と比較してもオールド・スタイルな感じがする。
そのため、バックトラックのスタイルに多少のチープさを感じなくはないが、ダグマー・クラウゼのヴォーカルは「円熟」という他ない。全盛期のあの先鋭さがあるからこそ、この円熟味を感じられるのであろう。
そういうわけで年代順に聞くのがいいと思う。