月別アーカイブ: 2004年12月

池野成の映画音楽

池野成の映画音楽

先日、日本人作曲家に関するホームページを見ていたら、池野成の映画音楽 というページにたどり着いた。

正直言って、池野成さんの名前も池野さんが音楽をつけた映画についてもほとんど知らなかった。しかし、このページに書かれている CD の制作経緯を読んでいると、ほとんどこの CD を聞くことが日本人作曲者愛好家の使命のように思えてきて、購入を申し込んだのである。

これからゆっくり聞いてみよう。

伊福部/マイルス/ビリー・ジョエル

伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ

NAXOS の日本人作曲家シリーズで登場した伊福部昭の管弦楽作品集。《シンフォニア・タプカーラ》や《SF交響ファンタジー第1番》あたりをロシアのオケ(ロシア・フィルハーモニー管弦楽団)がどのくらい凶暴に演奏してくれるのかが楽しみであったのだが、ちょっと期待外れ。

日本人(というか日本の伊福部ファン)に暗黙のうちに刻み込まれている「伊福部サウンドはかくあるべし」といった了解事項がこの演奏にはないのである。もちろん楽譜に純粋に向かい合えばこういう音楽が出てくることは納得しているのだが、《タプカーラ》を聞いていてもあっさりしていてなかなか血がたぎって来ないのである。(かといって、先日購入した「伊福部昭の芸術(8)特別篇 卒寿を祝うバースデイ・コンサート 完全ライヴ」の《タプカーラ》の第3楽章のように最初からオケが沸騰しているのもリスナーがついていけなくてちょっと白けてしまうのだが …)

音楽に国民性や民族性(やっぱりウィンナ・ワルツはオーストリアのオケじゃなきゃ、とかバルトークはやっぱりハンガリーのオケだね、とかいったドグマ)を持ち込むのはあまり好きではないのだが、やはり「血」が違うのかな、と思ったしだい。

ということで、淡々と盛り上がっていく《SF交響ファンタジー第1番》の後半のマーチメドレーが違和感なく聞けた。これは適度に抑制が効いていていい演奏だと思う。

ジャケットに青木繁「海の幸」を使ったのは秀逸。

マイルス・エレクトリック 〜 パフォーマンス・アット・ザ・アイル・オブ・ワイト[DVD]

幻と言われている、1970年に開催された「ワイト島ミュージック・フェスティヴァル」に出演したマイルス・デイヴィス・バンドの完全演奏と、(それだけではDVD1枚分の時間が持たないので)周辺ミュージシャンのインタビューによって構成されたドキュメント。

マイルスがいわゆる「アコースティック」時代から「エレクトリック」時代へと方向を変えていった時期の演奏はなかなか映像がなかっただけにかなりうれしい。個人的にこの時期のアルバム(「イン・ア・サイレント・ウェイ」とか「ビッチェズ・ブリュー」とか)が結構好きなので。

とはいえ、前半のインタビューが長かったので力尽きて寝てしまった … まだライヴまでたどり着いていない …

ビリー・ジョエルの紙ジャケ第2弾。リアルタイムで聞いていたのは「イノセント・マン」とかろうじて「ビリー・ザ・ベスト」くらいまでかな。

ザ・シンプソンズなどなど(今日届いたCD)

The Simpsons: The Yellow Album

先日買った「すべてのレコジャケはバナナにあこがれる。」という本で紹介されていて即注文したCD。いわゆる「ジャケ買い」というやつである。まあ見てください。

シンプソン一家が見事にビートルズの「サージェント・ペパーズ」をパロっている。 (中ジャケや裏ジャケも一応そんな感じ) ジャケットに写っている人たちはみんな一人一人ちゃんと名前のある登場人物で、中ジャケに説明されているのも凄い。まあ、音はどうでもいいな。

Do They Know It’s Christmas?

先日「ライヴ・エイド★初回生産限定スペシャル・プライス★ [DVD]」を買ったのであるが、これのきっかけとなったチャリティ・レコード(そう、当時はレコードだった)「Do They Know It’s Christmas?」が20周年を機にリメイクされた。

2004年のニューバージョン、1984年のオリジナル・バージョン、それに1985年のライブ・エイドでのライブ・バージョンの3曲入り。

最近の洋楽には疎いので2004年バージョンで誰がどのパートを歌っているのかほとんどわからないが、U2のボーノが20年前と同じ部分を歌っているらしいことはわかった。1984年バージョンに比べると、バラードっぽく始まって、途中でラップを入れたりとかいろいろ曲調に変化をつけようとしているのがわかる。まあ、これはこれでいいのだろう。

不満が2つ。amazon.co.jp で見たジャケット写真はオリジナル通りのものだったのだが、送られて来たCDは別ジャケットだった。あのジャケットが欲しかったのに。それからオリジナル・バージョンってこんなに音悪かったっけ?2004年バージョンはそれなりの音をしているし、1985年のライブ・エイド・バージョンもかなりクリアになっているのに1984年バージョンだけがモコモコした感じである。

Euphonium Magic Vol.2/スティーブン・ミード

スティーブン・ミードによるユーフォニアム・アンサンブルのアルバム。つまり一人で複数のパートを多重録音している。目当ては伊藤康英さんの《ユーフォニアム・パフェ》(フルート四重奏曲《フルーツ・パフェ》のユーフォニアム版)とミードの直筆サイン。

「おお、偶然にも《ザ・シンプソンズ》という作品が入っとるわい。」と思ったら、「ザ・シンプソンズ」のオープニング・テーマをユーフォニアム・アンサンブルに編曲したものだった。まさにシンクロニシティ。

MADE IN JAPAN

de haske から出版されている日本人作曲家の吹奏楽作品を集めたCD。酒井格作品(《若草山のファンファーレ》《たなばた》《大みそか》《大仏と鹿》)がまとめて聞けるのがポイントか。個人的には旧作である《吹奏楽のための三つの断章》(桑原洋明)が聞けるのがうれしい。

シエナ・ウィンド・オーケストラ

今日 NHK BS-2 で放送されたシエナ・ウィンド・オーケストラのコンサートを見る。昨年8月の「富士山河口湖音楽祭 2004」での演奏である。

野外劇場で演奏される《ローマの松》はなかなか風情があってよい。特に第3楽章《ジャニコロの松》なんてぴったり。

打楽器奏者による《ロック・トラップ》も演奏者のパフォーマンスのおかげでかなり楽しいものになっている。

下手に「吹奏楽の普及うんぬん」とか大仰なことを考えずに、とにかく楽しいステージを作ろうとしている姿勢がよい。

その反面、指揮者の佐渡裕さんのインタビューの中では「コンサートに対する敷居は低い方がいいが、その敷居がなくなってはいけない」という発言があった。全く以って同感である。「楽しい」ということと「無頓着」ということを穿き違えてはいけないのである。