先週、現代日本の作曲家についてウェブを見ていたところ、水野修孝さんという作曲家に興味を持ったので、以下のCDを購入してみることにした。
水野氏の作品《オーケストラ1966》は以前に聞いたことがあったのだが、それは前衛的であまり面白くなかったように記憶している。以下の作品はその制作姿勢に惹かれるものがあった。
TBM (Three Blind Mice)というジャズ・レーベルのプロデューサー藤井武氏からの依頼によって作曲されたビッグ・バンド編成のための作品。
フリー・フォーム的な部分はあるものの現代音楽的な匂いはなく、純粋にビッグ・バンドのイディオムで書かれている。各楽器のオーケストレーションやインタープレイにはかなりの技術が要求されていると思われるが演奏もよい。(余談ではあるが、今やスタジオ・ミュージシャンとして有名な数原晋さんも「’73」ではニュー・ハードに在籍している。)
「できるだけ大きな音で聞いてください」と書かれているように、かなり刺激的な音楽。一般的に連想される「ビッグ・バンド・ジャズ」が生ぬるいと思っている方は聞いてみては?
「交響的変容」全4部初演コンサート
こちらは1992年に行われた「交響的変容」全曲の初演を収めたCD。詳細はこちらに詳しいが、演奏時間およそ3時間、演奏者数およそ700人、初演にかかった総費用およそ1億2000万円という大規模な作品である。
もともとは図書館などに寄贈するために作成された非売品のCDらしいが、上記ホームページで問い合わせたところ、まだ在庫が残っているらしいので譲っていただけることができた。申し込み後かなりの早さで贈っていただいたにもかかわらず、水野さんご本人による直筆のお手紙も入っていたりしてまことに恐縮しているしだいである。
演奏会費用の赤字補填のためにも(笑)、興味を持った方は問い合わせてみては?