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佼成ファン感謝デー

東京佼成ウィンドオーケストラ&普門館

東京佼成ウィンドオーケストラの2008年度の「ファン感謝デー」の全演奏曲を収録した DVD。 (限定 2000 枚という言葉にひかれて、ついポチッと …..)

  • アルメニアン・ダンス・パートI(A.リード)
  • クラリネットと吹奏楽のための協奏曲(N.リムスキー=コルサコフ)
    • クラリネット独奏:関口仁
  • 素晴らしき夕日の中で (ダニエル・ケンジ・アケモト/伊藤康英)
  • フェスティバル・ヴァリエーション (C.T. スミス)
    • (どうでもいい話だが、v を「バ」と「ヴァ」に書き分けているのはなぜだろう?)
  • 吹奏楽のためのシンフォニア(小林徹)
  • 北海の大漁歌(岩河三郎)
  • 東北地方の民謡によるコラージュ(櫛田(月失)之扶)
  • シンフォニック・マーチ(斉藤正和)
  • 序奏とアレグロ(木下牧子)
  • アイヌの輪舞(早川博二)
  • サンライズ・マーチ(岩河三郎)
  • Overture FIVE RINGS(三枝成章)
  • 風紋(保科洋)
  • 吹奏楽のための「深層の祭」(三善晃)

全般的にはかなりラフな印象。 特にリクエストで選ばれたという課題曲10曲はリハーサル時間も少なかったそうだし、リスナーのリファレンス(脳内規範)となっている演奏は過剰なまでに作り込まれたコンクールの演奏が多いと思うし、淡白だという印象は仕方がないかなという気もする。 《序奏とアレグロ》や《深層の祭》などは緻密なアンサンブルが期待されるだけにちょっと残念。 《Overture FIVE RINGS》あたりは逆に勢いがあってよかった。

C.T.スミスの《フェスティヴァル・ヴァリエーション》もちょっと安全運転で停滞したようなテンポ設定だった。

そんな中で、編成を絞ったリムスキー=コルサコフの《クラリネット協奏曲》の端整な音色はさすが佼成という感じ。

3曲目は、ハワイ在住のダニエル・ケンジ・アケモトという方が作曲した作品。 「フレデリック・フェネルの思い出に」という副題がつけられている。 後半、別働隊による小規模なマーチングバンドによって、フェネルが愛したと思しき曲がパラフレーズされて演奏される。 フェネルが亡くなる時のエピソード(こちらの以前の日記を参照)が思い浮かぶ。

この前に、コンサートマスターの須川さん、前コンサートマスターの関口さん、指揮者の小林さんがフェネルの思い出を話す MC があるのだが、そこで在りし日のフェネルの姿が挿入される演出もなかなかよい。

で、やはりアンコール(DVD にはクレジットされていない)はフェネルゆかりの《ヒズ・オナー》。 それまでの、なかなか煮え切らなかった課題曲に比べると、サウンドの輝かしさが全然違うので何だかなあ、という気もするが、手馴れた感じの素晴らしいパフォーマンス。 (指揮者の小林さんも最後はフェネル得意のバッティングポーズをやってくれればよかったのに(笑)。)

ところで、この演奏会って何人くらいのお客さんが入ったんでしょう? ステージ上の下手/上手にあるカメラから指揮者を映しているショットでは客席も映っているのであるが、いやに少ないというか、ほとんど人が映っていないというか ….. お客さんが入っていないところで収録したテイクも使っているのか知らん、と思ったりして …..