ということで、今日届いたもの2枚。
例のシャイー/コンセルトヘボウによるベリオの《シンフォニア》。近所のタワーレコードになかったので通販で買うことにした。
こちらは諸井誠作品集。特に2枚目は邦楽器を用いた作品ばかりだったので苦手だなあ、と思っていたのであるが、《尺八と弦楽合奏、打楽器の為の協奏三章》が意外に面白かった。あと《対話五題~二本の尺八のために》でいきなりブルージーな音階(いわゆるブルーノート?)が出てくるのはなぜだ?
ドカッと。
ブライアン・イーノとロバート・フリップの共作2枚。最近、国内盤が紙ジャケットでリリースされたのであるが、2枚合わせると輸入盤は国内盤のほぼ半額で買えてしまう(およそ国内盤7000円に対して輸入盤3500円)。さすがにこれだけの価格差があると輸入盤でいいよなあ、と思う。
ケニー・ドーハムの名盤2枚。「静かなるケニー」の方は最近行きつけのコーヒー屋さんでかかっていて「お、なかなかいいじゃん」と思ったので。「アフロ・キューバン」はタイトル通り。いくらラテン系打楽器を多用しているとはいえ、ベースになっているのはブルーノートの正統的なジャズ。
そういえば、すっかり忘れていたタマヨ&ルクセンブルク・フィルのコンビによるクセナキス管弦楽作品集の第5弾。今までのリリースは世界初録音が多かったのだが、今回は比較的初期(1950年代後半から1960年代前半)の作品が収録されている。《メタスタシス》とか《ピソプラクタ》とか。
ちなみに鈴木英史さんの《ライフ・ヴァリエーションズ》がパクッたのではないかと一時話題になった、クセナキスの管弦楽曲《ジョンシェ》はこのシリーズの 第2弾に収録されている。(ちなみに私は全然似ているとは思えない。これがパクリだったらアレはどうなる(笑)。)曲も演奏も面白い(情け容赦ないバーバ リズムといった感じ)と思うので興味ある方はぜひ。
で、ベリオのセクエンツァは宣言通り、mode 盤を買ってしまいました。
栗コーダーカルテットの新譜。前作「笛社会」は全曲インストゥルメンタルで音像も演奏もタイトにまとまっていたが、本作ではゲストヴォーカルをフィーチャーした歌モノが多い。結果、全体的にテンポがゆったりとして大らかな感じがある。
(もうだいぶ戻ってしまったが)円高だったのでガツンと輸入盤を買おうと思って思案中。
前から買いたいと思っていて、きっかけがなくて買えていなかったのがルチアーノ・ベリオのセクエンツァ集。独奏楽器のために書かれた超絶技巧を必要とする作品である。いくつか聞いたことがあるのだが、聞きやすいといえば聞きやすい部類の現代音楽と言えるのではないかな。
トランペットのために書かれた《X》はホーカン・ハーデンベルガーの演奏を持っている。独奏楽器のために書かれたといいながら、この作品ではピアノが必要である。このピアノは共鳴のために使われる、つまり演奏者は音を出さずに鍵盤を押さえるわけである。
トロンボーンのために書かれた《V》はリンドベルイの演奏。例によってすごい。苦もなく演奏して超絶技巧に聞こえないところがすごい。
で、グラモフォンからアンサンブル・アンタルコンタンポランのメンバーによる録音が出ていて、NAXOS からも例によってリーズナブルな全集が出ていることは知っていたのだが、アメリカの現代音楽専門レーベル(と言っていいよな)である mode から本当の全集が出ているらしいことを最近知った。ちょっと整理してみたのが以下の表である。基本的には14曲なのだが、作曲者本人や他の演奏者によって他の楽器のために編曲されたものもいくつかある。番号にbとかcとか振られているものである。作曲者がアルト・サクソフォンのために編曲したIXb(もともとはクラリネットのための)は結構有名なレパートリーのようで、いろいろなサクソフォン奏者が録音している。須川展也さんもかつて録音していた。
番号 | 楽器 | 編曲者 | mode | dg | naxos |
I | フルート | ○ | ○ | ○ | |
II | ハープ | ○ | ○ | ○ | |
III | 女声 | ○ | ○ | ○ | |
IV | ピアノ | ○ | ○ | ○ | |
V | トロンボーン | ○ | ○ | ○ | |
VI | ヴィオラ | ○ | ○ | ○ | |
VIb | チェロ | ロハン・デ・サラム | ○ | ||
VII | オーボエ | ○ | ○ | ○ | |
VIIb | ソプラノ・サクソフォン | クロード・ドゥラングル | ○ | ○ | |
VIII | ヴァイオリン | ○ | ○ | ○ | |
IX | クラリネット | ○ | ○ | ○ | |
IXb | アルト・サクソフォン | 作曲者 | ○ | ○ | ○ |
IXc | バス・クラリネット | ロッコ・パリシ | ○ | ||
X | トランペット | ○ | ○ | ○ | |
XI | ギター | ○ | ○ | ○ | |
XII | ファゴット | ○ | ○ | ○ | |
XIII | アコーディオン | ○ | ○ | ○ | |
XIV | チェロ | ○ | ○ | ||
XIVb | コントラバス | ステファノ・スコダニッビオ | ○ |
で、まあ「全集」とかに弱い私はmode盤を買ってしまうんだろうなあ。他にもソロ楽器のために書かれた作品が全部収録されているらしいし、解説も豊富らしいし。
それから、最近タワーレコードからシャイー指揮によるベリオの《シンフォニア》が再発された。1000円。このCDの素晴らしいところは、例の、マーラーの交響曲第2番の第3楽章をベースにして、古今東西の名曲がコラージュされた第3楽章の詳細な解説がついているところである。どこで何の曲が引用されているかがわかるのである。交響詩《海》(ドビュッシー)とか、《春の祭典》(ストラヴィンスキー)とか、《ラ・ヴァルス》とかはわかりやすいのだが、全部が全部わかるわけではない。確か「演奏会で次にやる曲」も引用の指定があったはず。ということで、この解説のために買ってみるのもいいかなと。