2011女子ワールドカップ観戦」カテゴリーアーカイブ

女子ワールドカップ観戦記(ケルン編)

さて、一夜明けて日曜日。ドイツでは日曜日はほとんどのお店が閉まってしまうので、この日は買い物はできない。というわけで、いわゆる観光地に行こう、ということで息子の友人家族と一緒にケルン観光をすることにした。

ドイツに来た当初から漠然と「ケルンに行って大聖堂を見てみたい」と思っていたのであるが、2年経ってやっと見ることができる。(やっぱり基本的に腰が重いんだなあ …)

高さの点では以前訪れたことのあるウルム大聖堂の方が高いらしいのであるが、このケルン大聖堂の規模は圧巻である。その聖堂の大きさと比べて周辺の広場はそんなに広くないので、まさに「そそり立つ」という感じの威圧感がある。

そして、みんなで塔に登る(笑)。509段だそうで。体力ないし、高所恐怖症だし、で上からの写真はあまりありません(笑)。もっともかなり厳重に防護柵がはりめぐらされているので眺めはあまりよくない。

その後、チョコレート博物館へ。ケルン大聖堂からは「ショコエクスプレス」という、遊園地にあるような小さなバスで行くことができる。

スイスのチョコレートメーカー「リンツ(Lindt)」が運営しているようで、カカオがどうやって収穫されるかから始まって(カカオの木を実際に見られる温室もある!)、チョコレートの製造工程、広告など多岐に渡った展示が楽しめる。展示に感化されてカフェテラスではしこたま注文したが、これはちょっとやり過ぎだったなあ …

ケルン大聖堂に戻ってきたところで友人家族とは別れ、それぞれに帰途につく。

うちは例によってちょっと鉃道ウォッチング。ケルン大聖堂はケルン中央駅のすぐ近くにある。そして、ケルンからはオランダ、ベルギー方面へ高速列車「タリス(Thalis)」が発着しているのである。

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基本的にはアウトバーンを使ってハノーファー経由でハンブルクに向かう。

ところで、今使っているカーナビはアウトバーンに乗ると平均時速120kmで到着時間を推測するらしい。120km以下で走っていると到着予定時間がどんどん遅くなっていく(笑)。このルートは途中で何カ所か最高速度が無制限の区域があるので、その区間では150kmくらいで走っていても大きな車にはぶち抜かれる。しかし、このくらいの速度で走っていてもストレスを感じないのでドイツでは長距離ドライブがやりやすい。1車線が広いとか、カーブがゆるやかだとか、一般のドライバーが多い週末には大型車の通行が制限されている(許可がないとアウトバーンを走れないらしい)とか、いろいろな要因がありそうだ。

日本では浜松から東京(約250km)を走るのも躊躇していたのだが、1泊2日で1000kmを走ってしまうのもだんだん慣れてきているような気がする。

女子ワールドカップ観戦記(レバークーゼン編)

ホテルにチェックインして、いそいそとスタジアムへ。ちなみにこのホテルには(すでに敗退してしまっていたが)カナダ代表チームが滞在していた。会場であるベイアレーナまでは歩いて10分くらいで行ける。

イングランド対フランス。意外にドイツのサポーターが多い。まさかドイツの2位抜けを予想してこのチケットを確保したのか、あるいは単に近所のサッカー好きのサポーターが見に来ただけなのか(笑)?

ドイツ戦でも見ていたのだが、パスを多用したフランスの攻めはなかなか見ていて楽しい。ほとんど10番のアビリーの個人能力に頼っているような気がしないでもないが。(まあ、日本も似たようなものか …)というわけで、この試合は基本的にフランスを応援していた。

かたやイングランドはあまり積極的に攻めない(のか、フランスの攻撃に押されて攻められないのかわからないが)。時おりロングパスを放り込むだけのような感じであまり面白くない。しかし、こんな時に点が入るのは少ないチャンスを生かすイングランドなのである。特にフランスが崩されたということでもないのだが、早い展開からあっけない形で点が入ってしまった。

その後もフランスは今までと同じように攻め続けるがなかなか決定的なチャンスまでいけない。やっとゴールをこじあけたのは試合終了直前だった。

延長の中でイングランドの10番のプレーがだんだん荒くなってくる。それによってイングランドがボールを持つたびに会場からブーイングが浴びせられるようになった。

PK戦。ここでも先手を取ったのはイングランド、というか先攻でシュートを外して先手を取られたのがフランス。結局、イングランドは後半で2発外して自滅したような形になって、辛くもフランスが勝った。

フランスを応援していた立場からするとかなり劇的な勝ち方で、盛り上がった。

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試合後、ホテルに戻って、バーでテレビ放送されている日本対ドイツ戦を見る。

「まさか、テレビで見始めた瞬間に 3-0 とかで負けていたら洒落にならんなあ」という話をしていたのだが、0-0 の緊迫した展開。もちろん、バーでは試合を見に来たドイツ人が大勢いる。初めからわかっていたことであるが、おおっぴらに応援するのもはばかられる。

しかし、日本チームは気合が違うのか何なのかイングランド戦よりも全然動きがいいなあ。で、延長後半開始間もなく日本のゴールが決まってしまった。まさに「決まってしまった」というほかない。バーの中は気まずい沈黙が支配し、まったく素直に喜べない。

まさか、試合に負けることを想定して持ち込んだわけではないのだろうけど、ドイツの選手が持ち込んだメッセージの言葉が妙に胸に響く。

「Ein Team – Ein Traum – Millionen Fans – Danke (1つのチーム。1つの夢。100万人のファン。ありがとう。)」

勝った時にこのメッセージを聞けば本当に盛り上がるのだろうけど、負けた時のメッセージとしては、選手にとってはあまりにも重い。

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結局、2試合とも延長までいってしまったので、私たちは5時間以上ほとんどぶっつづけで試合を見続けたことになる。フランス対イングランドが予想以上に面白かったのでそこでかなり盛り上がってしまった(それによって疲れていた)こと、それからまさか日本がドイツに勝つことはないだろう(すみません、すみません …)と思っていたことで、日本対ドイツ戦はかなり醒めたというか冷静な状態で見ていたような気がする。

ケルン編へ続く。

女子ワールドカップ観戦記(デュッセルドルフ編)

さて、レバークーゼンの少し北にはデュッセルドルフという都市がある。ドイツの中でもっとも日本人が多く住んでいる都市で、その数はおよそ6000人とのこと。ちなみにハンブルクは約2000人である。

ハンブルクに住んでいる人たちも日本食などの買い出しでよくデュッセルドルフに来るらしい。(とは言ってもハンブルクからは400kmあるのだが … みんなすごいなあ …)実際、今回もデュッセルドルフの街中で知人とばったり出くわした。

実は私たち家族がデュッセルドルフを訪れるのは今回が初めてなのであるが、ご他聞に漏れず、私たちも昼食でラーメンを食べることにした。デュッセルドルフのラーメン屋では「なにわ」と「匠」というお店が人気を二分しているらしい。事前のリサーチで「匠」に行くことにしていた。

「特上味噌」と「特上塩」を注文する。

妻は「もっとおいしいかと思っていた」と言っていたが、これだけおいしければ(少なくともドイツという異国の地で食べる分には)まったく問題ないんじゃないかなあ。例のドイツ北部の食中毒騒動の影響で、本来もやしであるはずのトッピングが白菜に変わっていたのも一因かも知れないが。

ちなみにこのあとで「なにわ」の前を通りかかったのだが、待ち行列は「匠」より長かった。あとで聞いた話によると巷では「麺の匠、スープのなにわ」と言われているのだとか。

その後、OCS という日本関連の物品を扱っているお店で少し買い出しをする。OCS はハンブルクにもあったのだが昨年末に閉店してしまった。デュッセルドルフ店は規模も大きい。妻は日本食材や息子が使う学用品(ノートやなわとびなど)を、息子はコミックスを予定通り購入する。私は特に予定していたものはなかったのだが、バーゲンで村上春樹さんの著書が安く売られていたので買っておくことにした。ハンブルク店でもそうだったのだが、過剰在庫は値崩れして日本よりも安く買えることがある。

村上ソングズ

レバークーゼン編へ続く。

女子ワールドカップ観戦記(ドルトムント編)

レバークーゼンで行われる女子ワールドカップ決勝トーナメント第1戦(準々決勝)「イングランド対フランス」を見に行く。ハンブルク(というか自宅はハンブルクからちょっと外れたところにあるのだが)からレバークーゼンまでは距離にして400kmちょっと、時間にして4時間弱というところである。席は息子の友人家族と一緒に取ったのだが、試合前は別行動で会場で落ち合うことにした。

レバークーゼンはドイツ全体の中では北西に位置する都市で、ケルンの少し北にある。この近辺にはドイツ・ブンデスリーガ1部チームが本拠地を置く都市が多い。ケルンにはもちろん1FCケルンがあるし、レバークーゼンにはバイヤー・レバークーゼンもある。シャルケ04があるゲルゼンキルヒェンもあるし、もう少し西に進んでオランダ国境近くまで行けば、(あまり有名ではないと思うが)メンヒェングラートバッハもある。

それらのどこかのチームのファンショップに寄ってグッズを買いたいと計画していたのであるが、やはりここは香川慎司が所属するボルシア・ドルトムントのファンショップに立ち寄ることにした。ドルトムントはハンブルクからレバークーゼンに向かうと80kmほど手前にあるのでレバークーゼンに行く途中に立ち寄ることができる。

というわけでウェブで調べた最大のファンショップというところへ行ってみた。

確かに大きいのだが、シーズンの谷間ということであまりモノがない。ユニフォームはすでに来シーズンもデザインが発表されているのでたくさんあるのだが、応援グッズ(例えばタオルやさまざまなデザインの衣類やアクセサリーなど)はまだ来シーズン用のデザインが十分に用意されていないようだ。

とりあえず(これも品薄だしサイズも少なかったしオンラインショップでは品切れだった)香川のTシャツを無事ゲット。息子用のサイズはかろうじて残っていた。それからおみやげ用も含めてピンバッジをいくつか。

それから、ここに来る途中にスタジアムらしきものを見つけたので行ってみることにした。当初は計画になかったのだが、近そうだったし、スタジアムの記念写真を撮るだけでもいいだろうし、ファンショップもあるだろうし。

ここでは前のファンショップにはなかった優勝記念ピンバッジがあったので買っておく。ボルシア・ドルトムントのエンブレムと、優勝杯(ドイツ語ではマイスターシャーレ Meistershale と言います。理科の実験に使うアレのことですね。)がペアになったデザインのものである。

というわけで、ここでもこまごまと買い込んだのだが、最大の収穫はスタジアムの芝(笑)。どうやらシーズンオフということでスタジアムの芝の張り替え工事をしていたらしい。不要になった芝が土がついたまま正方形に切断され、50cm四方の箱に入れられ、宅配ピザのようにファンショップの前に積まれていた。他のお客さんの様子を見ていると勝手に持って行ってよさそうだったので、いくつかもらってくることにした。「香川が踏んだかも知れない」とか「香川の汗が落ちているかも知れない」とか冗談を言いながら(笑)車に積む。うまくうちの庭に根付くといいんだけど。

デュッセルドルフ編へ続く。