2011ベネルクス」カテゴリーアーカイブ

ベネルクス旅行記(その5)

最終日。昨夜からの体調不良は少しは良くなったかな?

チェックアウト時間ギリギリまでホテルで休み、それから中央駅のコインロッカーにスーツケースを預けてコンセルトヘボウに向かう。

コンセルトヘボウは、その名の通りロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地。ここでは毎週水曜日の12時30分から30分程度のランチタイムコンサートが催されている。もちろん無料。入場するために多くの人たちが雨の中で列を作っている。

場内はこんな感じ。

この日の夜にはイヴァン・フィッシャーの指揮によるラヴェルの《ボレロ》を含む演奏会が予定されていたので、ゲネプロ代わりに《ボレロ》を演奏してもらえるといいなあ、と思っていたのだが、予想通り(期待通り)ラヴェルの《亡き王女のためのパヴァーヌ》と《ボレロ》が演奏された。

やはりゲネプロ的な意味合いがあるのか、かなり大胆に曲に色をつけていたように思える。例えば《パヴァーヌ》。3回繰り返される主部はかなりすっきりした表情だったのだが、それらにはさまれる2つのエピソードは多少テンポを速めて主部とはかなり対照的に演奏されていた。それから《ボレロ》。それぞれのソロ奏者はかなりアーティキュレーションを強調していた。とはいえ、全体の盛り上がりは旋律ではなく伴奏が支配する感じ。特にティンパニはほとんどやりたい放題という感じであった。それでも暴走しないのがこのオケの特色なのか?

最近の評価ではウィーンフィルやベルリンフィルに勝るとも劣らない評価を受けているこのオケをぜひ実演で聞いてみたかった。まず、第一の印象はアンサンブルがしっかりしているということ。それぞれの奏者が自律していながら全体がうまく調和しているように聞こえる。だからどこかのパートが突出してしまうわけでもなく全体のバランスがとてもよい。あと、これはホールのせいなのかも知れないが、ドイツのオケ(例えばシュターツカペレ・ドレスデンやバンベルク交響楽団を例に挙げようか)に比べると音色がきらびやかに聞こえる。

個人的に体調が悪くなると涙腺が弱くなってしまうのだが(そういえば昔、医学部の先輩に「『病は気から』じゃない。『気は病から』だ。」と言われたことがある。)、《ボレロ》で初めて第1ヴァイオリンが旋律を弾き始めるところで、その美しさに涙してしまった。

 

ベネルクス旅行記(その3)

ベネルクス旅行3日目は月曜日。月曜日はブリュッセルの主要な美術館などが閉館してしまうので、この日は近くの街への日帰り旅行を考えていた。結局、手近なところでアントワープへ行ってみることにした。ブリュッセルからは近郊鉃道で40分ほどである。

ちなみにアントワープ駅自体も美しい造形で有名である。

アントワープといえば「フランダースの犬」に登場するノートルダム大聖堂がある。

ここにはもともとルーベンスの絵画が多数展示されているのだが、ちょうどルーベンスとその周辺の画家たちの作品が集められて展示されていた。

 

ベネルクス旅行記(その1)

現地の学校のスケジュールに合わせて、ハンブルク日本人学校も10/10〜10/14に秋休みになる。

お子さんがいる社員はこの秋休みに合わせて短めのバケーションを取ることもある。ということで私も短い休みを取ることにした。これから冬になると遠出はおっくうになるし、とはいえ今年度の有休は今年度中に(できれば12月までに、最悪でも来年3月までに)取得しないといけないので、ということで。

当初予定していた、行きたい優先度の高い国、例えばイタリア、イギリス、フランス、スペインあたりは行くことができたので、今回は近場のベネルクス三国を駆け足で周遊することにした。

まず、ハンブルクからルクセンブルクまで飛行機で飛び、それから陸路でブリュッセル(ベルギー)、アムステルダム(オランダ)と移動し、最後にアムステルダムから空路ハンブルクに帰ってくる、というルートである。ブリュッセルからアムステルダムへの移動には、鉄ちゃんである息子念願の高速鉄道「タリス(Thalys)」に乗ることにした。

ということで初日はルクセンブルクまで。ルフトハンザ系列のルクスエアで飛ぶことになっていたのだが、なんとボンバルディアのプロペラ機。我々も通常の空路でのプロペラ機は初めての体験だったが(ちなみにスカイダイビングをした時に小さいプロペラ機には乗ったことがあった)、息子はもっと興奮している。

9時のフライトでお昼前にはルクセンブルクに到着。