2010ウィーン」カテゴリーアーカイブ

ウィーン日記その2: お墓参りなどなど

(鮮度が悪くなるといけないので書いたところまで公開するか …)

前回ウィーンを訪れたのは、10年近く前になります。その時は夏休みを利用してきたので演奏会はほとんど行われていませんでした。ということで、「黄金のキャベツ」で有名なセセッシオン(分離派会館)へクリムトが書いた「ベートーヴェン・フリース」を見に行ったり、ベルヴェデーレ宮殿へやっぱりクリムトの「接吻」を見に行ったり、ハイリゲンシュタットへ行きながらベートーヴェンゆかりのスポットには目もくれずにマーラーのお墓参りをして、帰りにホイリゲで飲んだくれたり、そういうことをやりました。

私も少しは大人になったので、マーラーの先達たちにも挨拶しておいた方がいいと思い(笑)、ウィーンゆかりの作曲家が多く眠る中央墓地へ行ってみることにしました。交通手段は「地球の歩き方」にわかりやすく書かれています。国立歌劇場前のトラム乗り場から少し東へ行ったシュヴァルツェンブルク(Schwarzenburg)から71番トラムに乗り、中央墓地の第2門(Zentralfriedhof Zweite Tor)で下車します。その墓地の中の「32A」という区域が音楽家たちの墓が集められているところで、教会に向かって歩けば左側に案内表示が出ているのですぐにわかります。

で、主な作曲家の墓をご紹介。順にブラームス、ヨハン・シュトラウス2世、シューベルト、ベートーヴェン、スッペ、ヴォルフです。

そして、これらの墓はモーツァルトの墓を取り囲むような形で配置されています。こんな感じ。

それから、ここの教会はユーゲントシュティールなデザインでした。中に入ったら老婦人と若い男性が礼拝席の左右に座って交唱をしているところでした。とても二人だけで歌っているとは思えないほど豊かに響き、しばし聞き入ってしまいました。

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ウィーン日記その1: ウィーンはいつもウィーン

そういうわけで、今日から2泊3日でウィーンヘ出かけます。

オーストリア航空の直行便。フォッカー100なんて初めて乗りました。順調に2時間ほどでウィーンに到着。気温17℃ということですっかり春らしい天気です。空港で「ウィーン・カード」を購入。3日間ウィーン市内の交通乗り放題+各種美術館の割引 … なのですが、空港は「ウィーン市内」ではないらしいので、このカードだけでは中心部へ行けません(不正乗車になります)、1.80ユーロの差額を購入するように、と言われました。空港からウィーン・ミッテ駅までは30分弱といったところでしょうか。そこから地下鉄U3に乗り換えると観光の中心である Stephansplatz 駅まで行けます。そこで地上に出るとシュテファン教会のすぐそばです。

このシュテファン教会から国立歌劇場までの目抜き通りがケルントナー通り (Kärntner Straße) です。今回のホテル「ホテル・カイゼリン・エリーザベト」はこのケルントナー通りから少し脇道に入ったところ。歌劇場まで徒歩圏内という立地に関わらず意外に安い値段で出ていたので予約してみたのでした。あとから「地球の歩き方」を見てみたら非常に由緒あるホテルで、リストやワーグナーなども泊まったことがあるのだそうです。まあ「王妃エリーザベト」という名前をホテルに冠する許可を正式にもらったらしいので言わずもがななのですが。部屋は改装したばかりのようですし、フロントのスタッフも気さくだったし、よくある「由緒あるホテル」のデメリットを全く感じなかったホテルでした。

チケットのピックアップを兼ねて、念のため国立歌劇場と楽友協会ホール(ムジークフェラインザール)の下見へ。歌劇場は通りをまっすぐ南下したところにあります。

国立歌劇場の近くには地下のモール、というかトラム乗り場へ行くための地下通路に売店がいくつかあるようなところがあるのですが、その公衆トイレは「オペラ・トイレ」ということで《美しく青きドナウ》が鳴り響いていました。あいにく中には入ってみませんでしたが …

さて、国立歌劇場のすぐ裏には「ザッハー・トルテ」で有名なホテル・ザッハーがあります。なので、ちょっとお茶を。カプチーノとザッハー・トルテをいただきました。

まあ、混んでいるのはわかりますが「牛丼屋か?」というくらいの客のさばき方です。ちゃんとしたカフェの方に行けばよかったかなあ … 私が入ったのは売店に付随している方でした。

さて、歌劇場からもうちょっと南下して東に行くとムジークフェラインザールがあります。それから帰りに見つけた広告塔。今日の公演も告知されています。

ホテルへ戻ってくる道すがら、寄ってみたかったのが楽譜屋さんの「ドプリンガー」です。

さすがにフルスコアの蔵書は多く、ずっと見ていても飽きません。おそらくウィーンゆかりかと思われる知らない作曲家の作品も多数ありました。さすがにウィーンの出版社である Universal Edition のスコアは比較的安いのでそのあたりを中心に「ウィーン記念」ということで、《シンフォニエッタ》(ヤナーチェク)、《ヴァイオリン協奏曲》(ベルク)、《パシフィック231》(オネゲル)のミニスコアを買ってみました。

ちょっと早い夕飯はホテルの隣りのレストランで。さすがに午後5時だと誰もいませんが(笑)、ちゃんとサーヴしていただきました。待望のヴィーナー・シュニッツェルを。ドイツでもシュニッツェルは食べられるのですが、多くの場合牛肉ではなく豚肉ですし、比較的厚めですし、何かしらのソースがかかっています。牛肉を薄く叩いたものにレモンを絞って … というやつを食べたかったのです。

かなりイメージ通りのものが食べられて満足でした。あ、ちなみに演奏会前に満腹になるのも嫌だったのでシュニッツェルはハーフポーションです。

演奏会については次のエントリーに続く。