Author: musicabella

  • 浜松交響吹奏楽団定期演奏会

    30周年記念委嘱作品ということで鈴木英史さんの《Life Variations》、天野正道さんのSuite Symphonique《Gaia》の第3楽章が初演された。 作品によるものなのか、サウンドの作り方によるものなのかよくわからないが、強奏での色彩感が飽和しているように感じるのが気になる。どちらの曲も 浜響吹のシンフォニックなサウンドを念頭に作曲されたのであろうが、ある程度以上のボリュームを持ったサウンドが単色に聞こえてしまう。ポップスなどが中 心となる第2部ステージでは、団員アレンジャーの遠藤さんによる編曲がそれぞれのパートの持ち味を引き出していたのとは対照的に思える。 《Life Variations》は第2部に当たる部分が面白いと思った。原始主義的な作風が《春の祭典》に近い雰囲気があるなあと思ったら、テーマは「法悦の詩」 だそうで、何となく納得。《Gaia》は残念ながら第3楽章のみの演奏。おそらく4楽章構成の第3楽章ではないかと思うのでまだ評価は保留。天野さんは 「この曲を聴いて怒る人がいるかも知れませんが …..」と書かれていたが、個人的には《おほなゐ》を聞いたときほど心が動かなかった。

  • カラヒー/ポパーピー

    まさか店頭で売っているとは思わなかったバンド・オブ・ブラザース DVDコレクターズ・ボックス I。 バンド・オブ・ブラザース DVDコレクターズ・ボックス I オークションなどでは未だに高値で取引されているようだし、すでに分売もされていたりで、ほとんど諦めかけていた状態だった。購入したショップも週一回くらい通っているところである。なぜ今まで店頭になくて突然出てきたんだろう?まあ、とにかくうれしい。 「ボックスII」の方はほとんど特典に魅力がないので、少しはモノがだぶついているようだが、この「ボックスI」にはWOWOWでも放送されなかったドキュメンタリーが併録されているのが貴重。当事者たちの証言と(必ずしも一致はしていないだろうが)当時の映像によって、「バンド・オブ・ブラザース」で描かれていた時代を回想するような構成である。 レフト・アローン それから同じショップで見つけたので買うことにしたマル・ウォルドロン/レフト・アローンの紙ジャケ。 「♪ポパーピー〜」と吹き上げるジャッキー・マクリーンのサックス節であまりにも有名なタイトル曲を収録 … というか、それ以外の曲はほとんど印象に残らない。久しぶりに聞いたが、やはりよい。

  • ファウスト

    というわけで、紙ジャケで発売されたファウストのCDを2枚。 ファースト・アルバム(紙ジャケット仕様) もともとこのアルバムは透明のレコード(レーベル部分は銀色)、赤字で印刷された透明の歌詞カード、黒で拳(ファウストとはドイツ語で「拳」の意)のレントゲン写真が印刷された透明のジャケットというフォーマットだった。このたびリリースされた紙ジャケならぬビニジャケ(?)は、その雰囲気をかなり再現再現しているのではないかと思う。中身の方は … こういうのを「前衛」というのだろうけど、そんなに面白いとは思わない。カットアップやコラージュといった手法は今の耳にはそれほど斬新には響かないし、個人的には「ジャーマン・ロックの流れの源流の一つ」といった歴史の流れの中での位置づけしか出来なさそうだ。とはいえ、ジャケットワークだけでも価格分のもとは取れた感じ。 ソー・ファー(紙ジャケット仕様) ファースト・アルバムとは対照的に、ジャケットからディスクまで真っ黒。内容としては、まだこちらの方が音楽としてまとまっている … というか、曲が曲として成立している。タイトル曲「So Far」は執拗に繰り返される7拍子のパターンの上に様々なエフェクトがかぶせられているもの。ある意味でビートルズの「Tomorrow Never Knows」に近いかな。これは十分に刺激的で面白い。

  • 浜松南高校第10回定期演奏会

    基本的に高校の吹奏楽部の定演というのは見に行かないのであるが、いろいろ事情があって見に行った。(武道館で行なわれる方の?)マーチング大会では過去に何回も全国大会に出場しているので、その筋ではいくらか知名度があるのではないだろうか。 第1部「クラシック・ステージ」第2部「ドリル・ステージ」第3部「企画ステージ」第4部「ポピュラー・ステージ」というてんこもりの構成。マーチングの方で鍛えているだけあって、音の立ち上がりのよさや開放的な明るいサウンドは魅力的である。クラシック・ステージでは時として荒く聞こえたりバランスが悪くなったりすることもあるが、そのへんをうまくまとめてやればもっといい演奏ができるバンドだと思う。また、多くのメンバーがそこそこのソロが取れるというのもいい。いかにも「譜面を間違えないように吹いてみました」というソロではなく、自分なりに消化していることがわかるソロである。最初にも書いたように昨今の高校吹奏楽部の様子はよくわからないのであるが、これだけ強烈なヴァイタリティを表現できたら、演奏の良し悪しに関係なく聴衆を動かすことはできると思う。ブラヴォー。 ***** 中古DVDショップを物色。 散り行く花 (トールケース) [DVD] 映画創成期の巨匠グリフィスの作品。1919年制作。グリフィス作品には欠かせない名女優リリアン・ギッシュも出演している。「ゴダールの映画史」にも引用されている。ここで見つけたのもシンクロニシティか?いつ見るかはわからない(だいたい数年前に買ったグリフィス作品「国民の創生」「イントレランス」もまだちゃんと見ていない)が、とりあえずライブラリとして持っていたい。 バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー・ボックスセット [DVD] リリースされた直後から買おうかどうしようか迷っていたボックスセットであるが、中古で値段も手頃、状態もかなりよかったので購入することにする。LDでは全部持っているんだけど。 モンスターズ・インク [DVD] これもライブラリに加えておきたかった作品。 Wingspan: Hits and History 輸入CDバーゲンで。数年前にリリースされたポール・マッカートニーの2枚組ベストアルバム。どちらかというと「ジョン派」なのであるし、ジョン以外のソロ・ビートルにはあまり興味はないのだが、ポールのソロ作でも何曲か気に入っているものはあるので買っておく。 Last Smile I will be with you ラヴ・サイケデリコのシングルは、タイトル・チューン以外の曲がアルバムに収録されないことが多いので、シングルはレンタル落ちを安く買っている。

  • テルミン・レクチャー・コンサート

    日本のテルミン演奏の第一人者である竹内正実さんのレクチャー・コンサートが浜松市楽器博物館の主催で開催された。 スライドやビデオを使いながらテルミンの生涯を簡単にたどり、その合間にクラシックの小品を演奏するといった構成。そういえば、ちゃんと演奏されたテルミンの音色を生で聞くのは初めてかも知れない。以前、展示会で展示されていたテルミンを少し演奏させてもらったことがあるのだが、(当たり前のことではあるが)音階すらまともに弾けなかった。 しかし、人(私も含めて)はテルミンの何に惹かれるのだろう?楽器に全く触れずに、空中で動かす手で演奏を制御するという多少オカルト的なにおいのする怪しさか?ヴォカリーズにも似た響きと、電子楽器にはそぐわないある種の不安定さを含んだ音色か? テルミンで和音を出そうと試みた「ポリフォニック・テルミン」のテルミン博士自身によるプレゼンテーション(レクチャー終了後に竹内さんにうかがったのであるが、この音源は世に出ていない模様。テルミンに関する資料は娘さんがかなり厳しく管理されているそうだ。)や、アンコールに使われたマトリョミン(ロシア名物マトリョーシカ人形にテルミンを組み込んだもの)が興味深かった。 ***** ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2003(CCCD) 去年も書いたような気がするが、一応バンドの選曲資料のために毎年購入はしている。 が … ううん、こういう曲やこういうアレンジを求めている現場はそんなに多いのだろうか? 対象としては、おそらく中・高校生バンドが多いのだろう。しかし、今 J-POP のヒットチャートの上位にいる曲をかっこいいと思って聴いている吹奏楽部員たちが、こういう曲やこういうアレンジを「吹奏楽界でかっこいいとされているスタイル」だと思い、そのギャップに無自覚でいることは、とても不幸なことなのではないかと思う。 少なくとも私は供給する側の目指している「かっこよさ」と、それを受容する側の「かっこよさ」のどうしようもない乖離を感じている。

  • ゴダールの映画史

    ジャン=リュック・ゴダール 映画史 全8章 BOX [DVD] 先々週はホームシアターシステム、先週は(壊れてしまったので仕方なく新調した)PCと散財続き。その勢いで買ってしまった5枚組のDVDである。 もともと、ゴダールという監督に強い思い入れを持っているわけではないのだが、この作品はWOWOWで放送されたのを見て強い衝撃を受けた。テキスト、絵画、音楽、それからもちろん映画のおびただしい量の引用。そこからゴダールなりの「8つの映画史」が作り出された。私はこのむせ返るような情報量に心が躍る。 DVDでは、DVDならではの機能を利用して引用の出典を簡単に参照することができる。例えば音楽が流れているときには「M」という文字が画面上に現われ、それを選択すると引用されている音楽を説明する別画面が引き出されるという感じ。これを見た後でゴダール作品を見ると何かが変わるのだろうか? 第1章、繰り返し登場するゴダールの電子タイプライターの紙送り音を聞きながら、ビートルズの「Revolution No.9」の「なんばーないん、な」という声を思い出した。

  • 結婚披露宴依頼演奏

    所属する吹奏楽団の団員の結婚披露宴での演奏。 定期演奏会の練習の合間をぬっての限られた練習時間、会場の都合でギリギリまで絞った編成という厳しい条件の中での本番だったが、予想以上にいい結果が得られたのではないだろうか。団員である新婦さんの「楽しかった」という言葉がうれしかった。 演奏自体の出来とともに、こういう催し物で気になるのが曲の長さ。例えば今回は入場にメンデルスゾーンの《結婚行進曲》を使ったのであるが、ちょうどいいタイミングで曲を終わらせるには、とても神経を使う。こういうリアルタイムでテンポや曲の構成を変えていくのが、例えば定期演奏会などとは違う「依頼演奏」でのスリリングなところ。今回はわりとうまくいった、というか心配していたほどギリギリの事態にはならなかったのでよかった。 しかし、みなさん、休憩中のアルコールはほどほどにしましょう(笑)。

  • 憧憬

    憧憬 ~基町高等学校器楽部全国大会の記録1971−1982~ ブレーンが制作した、増広卓三氏が顧問をしていた時代の広島市立基町高等学校の全国大会での演奏を収めたCD。(成績一覧はこちら。)このバンドの選曲やサウンド作りにおける方向性がとても気に入っていた。 ヴェルディの歌劇《ナブッコ》序曲(第19回大会/1971年)や、ゴセックの《古典序曲》(第21回大会/1973年)あたりを聞くと、さすがに時代を感じさせる演奏なのだが、歌劇《タンクレディ》序曲(第25回大会/1977年)以降ははっきりとサウンドが変わる。このバンドの持ち味であったまろやかさや柔らかさが徐々に完成されてゆくのがわかる。頂点は《リシルド》序曲(第28回大会/1980年)と《序曲ハ調》(第29回大会/1981年)あたりか。

  • ホームシアター

    ホームシアターシステムをセットアップしたところで、DTSの効果が楽しめるソフトを借りにビデオレンタルへ。とりあえず、「バンド・オブ・ブラザース」の第1巻と「ハリー・ポッター」を借りてみる。 「バンド・オブ・ブラザース」は昨年の夏くらいからWOWOWで放送されていたのを見て結構はまっていた。第2次大戦中のある精鋭部隊についてのノンフィクションをもとにしたアメリカのテレビ番組である。スピルバーグやトム・ハンクスが制作に携わっているので「プライベート・ライアン」と同じような路線なのだが、「バンド・オブ・ブラザース」を見てから「プライベート・ライアン」を見たらその表層的な陳腐さにがっかりした覚えがある。 で、「バンド・オブ・ブラザース」であるが、DTSで見ると今まで見ていたものが何だったのかと思うくらい「のめり込み度」が違う。一応WOWOWで放送されたものは全話録画してDVD-Rで保存してあるのだが二度と見ることはないと思う(笑)。今まではボックスセットで限定販売されていて、オークションなどでもプレミア付きで取引されているようだが、近々分売されるようなのでちょっと安心。

  • BCLサンプル到着

    曲目解説を書かせていただいたCD「バンド・クラシックス・ライブラリー」の見本盤が届く。 昨今の業界事情を考えてみれば、こういうレパートリーの録音はプロもやらないし、CDをリリースしている有名アマチュア楽団もやらないだろう。いわゆる「ニッチ」な位置づけなのであるが、以前にたとえば日本コロンビアあたりからリリースされていたシリーズが入手しにくくなっている現在、なかなかいい目のつけどころなのではないかと思う。 いい意味でも悪い意味でも中庸な演奏なのであるが、細かいところまで丁寧に仕上げようとしている意志が感じられて好感が持てる。 ***** 先日やっと購入に踏み切った6.1chのホームシアターシステムが到着。午前中からケーブルの引き回しやらスピーカーの設置やらを行う。疲れた。