毎夏恒例のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭。ドイツに来て今年で3年目なので、この音楽祭に立ち会うのもこれで3度目ということになる。ちなみに今まではこんな演奏会に出かけた。
2009年
2010年
- ポーランド・レクイエム(ペンデレツキ自作自演)←あ、これブログに書いていない …
そして今年は、誰が思いついたのか知らないが、空港でファンクを聞けるコンサートに行って来た。今までは、いわゆる「クラシック」に属する演奏会にしか足を運んでいないが、例えば小曽根真さんやボビー・マクファーリンなどもこの音楽祭のシリーズの中で演奏会を行っている。
空港とは言ってもターミナルビルの中でコンサートをするわけではなく、滑走路の端に仮設ステージを作ってそこでやる。こんな感じになる。
仮設ステージのレイアウトといい、会場のまわりにたくさん出店されている数々の食べ物屋といい、一昔前の野外ジャズフェスティヴァルの雰囲気を思い出す。(野外ロックフェスは行ったことがないのでその雰囲気はわかりません …)
開演は午後9時、この時間だとハンブルクはまだまだ明るい。まずはメイシオ・パーカー・バンド。
ジェームズ・ブラウンのバックバンドに参加したところからキャリアが始まる(MCによると)「もっともファンキーなサクソフォニスト」。ちなみに教授のアルバム「未来派野郎」のオープニングを飾る《Broadway Boogie Woogie》でサックスを吹きまくっているのが、このメイシオ・パーカーである。あとで Wikipedia で調べてみたら今年で 68 歳。とてもそんな風には見えない若々しい。
MC 専門の女性がいてステージのオープニングとエンディングはその人が仕切るスタイル、曲中のソロの長さなどもリーダーが仕切る、など JB のステージのスタイルを踏襲している(らしき)部分も多い。ちなみにオープニングは JB のレパートリーである《Papa’s got a brand new bag》。途中ではバンドメンバーを休ませるために、サングラスをかけて体をくねらせて(もうおわかりですね(笑))ピアノのみの伴奏でレイ・チャールズのカバーを披露した。あ、この人ヴォーカルもやります。
特にベースとドラムがうまい。きっちりアンサンブルされているので、ノリがとてもシャープ。
次はタワー・オブ・パワー。メイシオ・パーカーがイーストコーストのファンクなら、タワー・オブ・パワーはウェストコーストのファンクである。こちらも MC によると1968年結成で今年で43年目とのことらしい。
まあ、人数も多いせいか、メイシオ・パーカー・バンドに比べるとアンサンブルはいくらか荒い。大人数での迫力あるサウンド、それからヴォーカルのうまさからか、こちらの方が盛り上がっていた。
ちなみに滑走路に仮設ステージを建てただけなので、いわゆる「オール・スタンディング」形式。それでも比較的年齢層の高いお客さんがそれぞれに体を揺らしながら聞いていた。
この2つのバンドが終わった時点で午後11時30分。さすがに立ちっぱなしはしんどくなってきたし、最後に出るバンド「The Nils Landgren Funk Unit」はよく知らないし、帰りの渋滞に巻き込まれるのも嫌だし、ということで帰ることにした。
帰り道、長い案内路を通って駐車場まで戻りながら、なぜ滑走路の上でコンサートが行われたのか、ふとひらめいた。ここなら、こんなに遅い時間まで野外で大音量で騒いでいても誰にも怒られないからだろう(笑)。