日別アーカイブ: 2011 年 3 月 11 日

ドイツ縦断旅行その1

結果的に息子の卒業旅行になってしまったがドイツ縦断の旅に行って来た。

そもそもは日本の連休に合わせてウィーンにでも旅行に行こうかと思っていた。

フライトスケジュールを検討するためにルフトハンザのホームページを見ていたら、ルフトハンザのマイレージプログラム「Miles and More」でFCバイエルン・ミュンヘンのホームゲームチケットが手に入ることがわかった。ドイツ赴任時にさんざん迷ったあげく、今までマイルを貯めていたユナイテッド航空のマイレージプラスではなく、ANAでもなく、ルフトハンザのMiles and Moreで貯めようと決めたのだが、こんな特典があろうとは思わなかった。

3/12には我がハンブルガーSVとFCバイエルン・ミュンヘンの試合がミュンヘンのアリアンツ・アレーナで予定されているのだが、HSVのオンラインチケットショップでもすでに売り切れ(というか会員の優先予約でないと入手は不可能)だった。このチケットもMiles and Moreから余裕で入手できそうだし、席もかなりよさそうである。

こんな機会はなかなかないだろうということで、ウィーン行きはミュンヘン行きに変更になった。また、単にミュンヘン往復では面白くない。今まで南ドイツに行く機会がなかなかなかったので、この機会に南ドイツの街をいくつか回ってみようということになった。

また、以前からAutozugという自動車運搬車両+寝台列車にも興味があったのでこれにも載ってみることにした。Hamburg-Altona駅で自動車を積み込むと寝台列車と一緒にミュンヘンまで連れて行ってくれる、というものである。

ということで、今回のルートは以下のようになった。

  • 行き(赤):Autozug(鉄道)でハンブルク→ミュンヘン(車中泊)
  • 第1日目:ミュンヘン観光とサッカー観戦
  • 第2日目(青):ミュンヘンからノイシュヴァンシュタイン城経由でローテンブルク泊
  • 第3日目(緑):ローテンブルクからバイロイト経由でデッサウ泊
  • 第4日目(ピンク):デッサウからツェレ経由でハンブルク

今日届いたもの(グレインジャー/バッハ)

Grainger: the Grainger Edition

結局買っちゃったよ … CHANDOSレーベルからリリースされていたグレインジャーの作品集19枚を廉価盤ボックスにしたもの。

吹奏楽作品はもちろんのこと、室内楽作品や管弦楽作品も機会があれば(アウトレットで安く出ていたら)ちまちま集めていたのであるが、今までのCD2枚分くらいの価格でこの全集が買えてしまうので、ダブりは承知で買ってみた。

自分で指揮したこともあるので《リンカンシャーの花束》は何十種類もの演奏を聞いてきたのであるが、ここに収められている演奏は究極の理想形といっていいと思う。RNCM(ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック)ウィンドオーケストラの研ぎ澄まされた「いかにもウィンドアンサンブル!!」というサウンドでグレインジャーの非凡なオーケストレーションの妙が楽しめる。

また、グレインジャーは同じ作品をさまざまな編成で生み出している「編曲魔」なのであるが、編成の違いによる雰囲気の違いを味わうのも楽しい。《岸辺のモリー》《コロニアル・ソング》《カントリー・ガーデンズ》などを管弦楽、吹奏楽、室内楽で聞き比べると面白い。

声楽やピアノ曲はあまり聞きこんでいなかったのでこれから勉強したい。

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Flute Sonatas(左)

6 Brandenburg Concertos: Bwv 1055 1060(右)

ふと、バッハの《ブランデンブルグ協奏曲》が聞きたくなった。最近、耳が「ピリオド演奏」に慣れている私としては、そちらの演奏を選択してもよかったのだが、選択肢が多くてよくわからない。正直に言えば、数多の古楽器演奏団体がどのような演奏をしてどのような評価を得ているのかがよくわからないのである。モーツァルトの交響曲全集がすこぶる愉しかったホグウッドの盤もあるのだが、初稿を使っているそうなのでファーストチョイスにはちょっとリスクが高い。

そういうわけなので、無難にカール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団による盤を買ってみることにした。リヒターのバッハは《管弦楽組曲》にしろ《音楽の捧げもの》にしろ非常に気に入っている演奏なので《ブランデンブルグ》の印象も大きくは違わないのではないか、と思ったわけである。また、将来的にはきっとピリオド演奏も買うことになると思うので、モダン演奏を聞くモチベーションは今がいちばん高いのではないか、という判断もある。

《管弦楽組曲》や《音楽の捧げもの》にはピリオド演奏にも通じるスピード感が感じられたのであるが、リヒターの《ブランデンブルグ》はかなりノーブルというかゆったりした感がある。(あ、ちなみに日本に置いてきた(=リッピングし忘れた)ブランデンブルグはピノック/イングリッシュ・コンソートです。)

で、私がリヒターの《管弦楽組曲》や《音楽の捧げもの》が好きなのは、これらの盤でオーレル・ニコレがフルートを吹いているという要因も小さくはない。というわけで、リヒターとニコレによるバッハのフルート・ソナタ集も買ってみた。長年買いたいとは思ってもいなかったのだが、なかなか手が出ていなかった盤である。

これなら、フルート吹きの妻も文句は言うまい(ニヤリ)。

地震

被災された方々へお見舞い申し上げます。

(以下、ドイツでどう報道されたかという覚え書きとして …)

今回の地震が発生した日本時間午後3時はドイツ時間の午前7時にあたる。JSTV という日本の番組を配信している放送局では、普段はNHKのニュース(日本の朝に放送されたものの録画)をやっている時間なのであるが、地震発生情報はほぼリアルタイムで放送された。「高さ6メートルの津波」という予想に尋常ではないことが起こっていることを実感した。

私の実家は新潟県なのでそんなに大きな影響はなさそうだったのであるが、念のため安否を確認する電話を入れる。当然つながらない。安否確認は妻に任せて会社へ行く。

NHK の報道の様子が UStream で見られる。余震などを何も体感せずに映像だけを見ている非現実感。だからこそ、これが現実に起きていることだと思うと余計怖い。

妻から我々の両親の安否が確認されたという連絡があった。電話ではなく Skype で連絡が取れたことに軽くショックを受ける。電話というインフラはこんなに脆弱でいいのか?