モダンを回想する

その昔、ベルント・アロイス・ツィマーマンの吹奏楽曲(というか管楽アンサンブル曲)《ユビュ王の晩餐のための音楽》を聞きたいがために買った8枚組のボックス。ほとんど聞かずに放ってあったのだが、年末年始に帰省した時に発掘したのでとりあえずリッピングして持ってきたものである。

Ruckblicke Moderne: 20th Century Orch Music

まず2枚目。収録曲はエドガー・ヴァレーズの打楽器アンサンブル作品《イオニザシオン》、ヴェーベルンの《管弦楽のための5つの小品》、マーラーの交響曲第2番第1楽章の原型となった交響詩《葬礼》、ジェルジ・クルターグの《…幻想曲風に…》、そしてバルトークの組曲版《中国の不思議な役人》。クルターグは個人的にあまり馴染みのない作曲家だったのであまりピンと来ていないが、それ以外はあまり「ゲンダイオンガク」っぽくなくて聞きやすい1枚である。

《葬礼》は初めて聞いたかも知れない。大まかな枠組みはほとんど《復活》の第1楽章と同じなのであるが、ところどころでオーケストレーションが違っていたり、曲の構成が違っていたり、といったところを耳にすることができる。

《中国の不思議な役人》はあまり激しない中庸な演奏だが、全体的な印象は悪くない。各楽器の音色の違いを強調してソノリティに変化を出しているのが面白い。吹奏楽コンクール以外で最終部にリタルダンドをかける演奏は初めて聞いたかも。

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8枚目。アルフレート・シュニトケの《トリオ・ソナタ》(弦楽合奏版)とリゲティの《ラミフィカシオン》とショスタコーヴィチの《室内交響曲》(弦楽四重奏曲第8番の弦楽合奏版)ということで弦楽合奏作品ばかりを集めたCDである。

シュニトケの作品は1985年に弦楽三重奏のために作曲されたものをヴィオラ奏者のユーリ・バシュメットが弦楽合奏のために編曲したものらしい。シュニトケらしい多様式とか折衷主義とかといったものがあまり聞かれないので初期の作品かと思ったのであるが、作曲者後期の作品である。ショスタコーヴィチの作品の緩徐楽章を聞いているような、切なくて美しい感じ。

… と思って聞いていたら、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番の弦楽合奏版が聞こえてきて少々びっくりした。

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