月別アーカイブ: 2010年6月

またまた RVG 探し

そういうわけで、このたび生産中止になったらしい RVG リマスターのブルーノート盤を慌てて買いました。通常ルートでの流通量が減っているようなので、amazon.de やら amazon.de のマーケットプレイスやら、jpc.de やらから購入。

ジョニー・グリフィンの「コングリゲーション」のジャケット・イラストは若き日のアンディ・ウォーホールです。

10枚くらいで済むかと思ったら、2枚組に再構成されているアルバムも何組かあるようなので、まだ散在する必要がありそうです。しかし、1500番台、4000番台の RVG リマスターが完全に終わっていないのに、なぜ本家ブルーノートは生産中止にするんでしょうね?

演奏会その42:ハンブルク・フィル第10回

さて、今シーズンのハンブルク・フィルの定期公演も最終回となってしまいました。どこのオーケストラもそうですが、7月と8月は夏休みに入り、9月からまた新しいシーズンが始まります。

10. Philharmonisches Konzert / Drums and Dreams

Martin Grubinger, Manuel Hofstätter Schlagwerk
Dirigent Pietari Inkinen

Dmitri Schostakowitsch: Festouverture op. 96
Avner Dorman: “Spices, Perfumes, Toxins!” für Percussion-Duo und Orchester
Nikolai Rimski-Korsakow: Scheherazade / Suite symphonique op. 35

(おそらく吹奏楽編成の方が原曲の管弦楽編成よりもずっと演奏回数が多いであろう)ショスタコーヴィチの《祝典序曲》、イスラエル生まれの35歳の作曲家アヴナー・ドーマンの作品で2人の打楽器奏者をフィーチャーした《スパイス、香料、毒!》、それからリムスキー=コルサコフの交響組曲《シェエラザード》というプログラムです。全般的な印象としては、ドーマンの作品に時間をかけたのか、ショスタコーヴィチとリムスキー=コルサコフはあまり練られていない演奏でした。

ドーマンの打楽器協奏曲は、タイトルから想像するに難解な現代曲を想像していたのですが、とてもわかりやすくて楽しめました。明確な調性感、少しミニマルっぽい雰囲気もある鍵盤打楽器のパルスによるオスティナート、といった作風は吉松隆さんの初期の作品(というか最近の作品はちゃんと聞いていないのでコメントできませんが …)を彷彿させます。曲は急―緩-急の3楽章構成、第1楽章はアラブというか中東のスケールが使われており、2人の奏者が変拍子の中でシロフォンとマリンバ、それからドラムセットを演奏します。第1楽章は以下の作曲者のホームページで聞けます。

http://dormanavner.com/music/orchestra/spices.php

第2楽章はロドリーゴの《アランフェス協奏曲》のような雰囲気で、これはヴィブラフォンとマリンバが活躍します。第3楽章はドラム中心の激しい楽章。席のせいか、2人のソリストの音にかき消されてバックのオーケストラはほとんど聞こえませんでした。ちょっと残念。

打楽器奏者が2人いるのですが、2人の掛け合いよりはユニゾンに力点が置かれているように思いました。細かいドラムセットのパターンでときおり「おかず」に入るシンバルなどが2人でピッタリ合うとかっこよいです。

アンコールでは、それぞれにスネアドラムでの妙技を披露。石川直さんとかがよくやるやつですね。ロールをやりながらスティックを放り投げたり、片方の手を背中から回してロールをしたり。アンコール2曲目では一転して鍵盤打楽器のデュオによる《ペール・ギュント》から《オーゼの死》(だっけ?)。鍵盤打楽器のロールで「ここまでできるか」というくらいの最弱音で演奏していました。すごい。

で、後半。実は《シェエラザード》はあまり好きな曲ではないのです。各楽章で登場する旋律は確かにどれも美しいのですが、ただそれだけかな、という気がします。それらの旋律の展開の仕方が優等生的というか、聞いてて飽きてきてしまうというか。それならそれで、毎夜繰り返されるおとぎ話のように、全編を通してたゆたうような流れを作るというアプローチもありかな、と考えていたのですが …

やはり繰り返されるそれぞれの楽想がうまくつながらないと、音楽がぶつ切りになってしまいます。特に第2楽章はいろいろな楽器がソロをとるわけなのですが、それぞれのソロのメロディの奏で方はもう少し統一させた方がよかったのではないかと思いました。あとで現れるトゥッティも含めて同じ旋律が現れるたびに違う表情を見せてしまうと、ちぐはぐな印象がぬぐえません。

全編のカギを握るヴァイオリンのソロも全般的にせわしなかった(もっと落ち着いて優雅に弾いて欲しい)のと、若干のピッチの不安定さがあったのが惜しかったです。

日曜日のお買い物

ドイツの日曜日は基本的にお店は休業しているのですが、年に数回日曜日も営業する日があります。それに合わせてのことなのかどうかよくわかりませんが、今日はハンブルク市内とその周辺の鉃道、バス、フェリーが全て無料になります。ということで、街の中心部に買い物に行きました。

ハンブルク中央駅もワールドカップに合わせて各国の国旗をアレンジしたプレートが各番線の案内板にはりつけられています。(逆光ですみません)もちろん、日本のものもあります。また中央駅から繁華街へ向かう Spitalerstrasse にも出場国の国旗が飾られています。

買い物に行った先は SATURN。またまた RVG リマスターのブルーノートの CD が少なからず生産中止になったということなので、店頭在庫のあるものを確保したいと思ったわけです。さすがに店頭在庫があるものが少なかったのですが以下の3タイトルをゲットしました。

それから、何となく気になっているアーティスト、ルーファス・ウェインライトを1枚。

Want Two

夏にクシシュトフ・ペンデレツキの《ポーランド・レクイエム》を聞きに行きたいと思っているのでその予習用のCD。

ペンデレツキ:ポーランド・レクイエム

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そうそう、今日は「父の日」ということで、息子が幼稚園で描いた絵をプレゼントしてくれました。同様に母の日に妻を描いた絵と並べてみたのですが、いかがでしょうか?

バルトーク大全集(その3)/ダグマー・クラウゼ

届いたCDの備忘録。

フンガロトンの新バルトーク全集を管弦楽作品を中心に買ってみました。



それから、ダグマー・クラウゼのソロ・アルバム「タンク・バトルズ」を。今度はハンス・アイスラーの作品のみを歌ったものです。

どよーん

今日はドイツ対セルビア戦。午後1時30分から社内パブリックビューイングがあります。

その前に外に昼食を食べに行った時にボスが「今日、誰か社内で Yvan(フランス人社員)を見た?昨日の試合(フランス 0-2 メキシコ)がショックだったのかねえ?」とか冗談めかして言っていたのですが …

で、ドイツ−セルビア戦。早い段階でイエローカードが出てしまったので完全に試合の流れがおかしくなってしまいましたねえ … クローゼのイエローカードについても1枚目は疑問のジャッジでしたが、それ以降はもうちょっと気をつけろよ、という感じ。ポドルスキも蹴っても蹴ってもシュートが入らない流れの末にPK失敗。

最初は50人くらいの社員が集まってテレビを見ていたのですが、ハーフタイムで1/3ほどの社員が業務に戻り、試合終了時にはみんな無言で椅子を片付けて、そそくさと自分の席に戻りましたとさ。

いきなり iPhone

会社から支給されている携帯電話の契約が切れたとかで、いきなり iPhone を渡されました。もう数ヶ月契約が長かったら、いいタイミングで iPhone 4 に切り替えられたのかも知れませんが、残念ながら 3GS です(当たり前か)。まあ、(2年縛りでいまだに使っている)個人所有の初代 iPhone に比べれば進化ですが。

これで会社のメールが携帯で見れるようになったのは喜ぶべきことなのか悲しむべきことなのか …

会社のスケジュールと、自宅 Mac の iCal に入れている個人スケジュールがまとめて見れる点は便利になりました。

一周年

ドイツに暮らし始めて今日で丸一年となりました。正直、あっという間に過ぎ去ってしまった感じです。振り返るといろいろなことが思い出されるのですが、その総量は一年という長さの歳月に比べるとかなり少ないように思います。もっと経ってから振り返るともっと細かいことが思い出されるのでしょうか?あまりにもたくさんの新しい経験があり過ぎて、まだ十分に記憶が堆積していないのかも知れません。

この一年で変わったことといえば …

  • 体重が増えた … まあ、これに尽きますね。体調が悪い日をのぞいてほぼ毎日ビールかワインを嗜み、家族が来る前は週の半分くらい夕飯を外食で済ませていたわけで、当たり前と言えば当たり前なのですが。
  • クラシック音楽を聞く機会が増えた … 日本の音楽に関する情報は必然的に少なくなってしまうわけでありますし、独りで暮らしている間に心置きなく演奏会に通おうと思っていたわけで、これも予想された展開です。ハンブルクでの演奏会の(いくぶん保守的な)傾向もあってか、今までの自分の守備範囲よりは嗜好が時代的に遡っています。ベートーヴェンとかブラームスとか。もちろん、現代音楽も日本にいる時に比べるとずっと実演を聞く機会は多くなっていますが。ということでCDの購入枚数もいくらか減っています。
  • ドイツ語は … 全然ダメです … 今までは外食や買い物で必要にかられてドイツ語で会話せざるを得ない状況があったのですが、家族が来てからは外食もしなくなったし、買い物は妻任せだし、ドイツ語を話す機会はかなり減ってしまいました。耳(ヒアリング)は多少慣れてきた気がするのですが、それでも断片的にしか聞き取れていません …
  • 仕事は … まだ試行錯誤中です。

これからの一年は地理的な見聞を広めたいです。ドイツ国内も特に南の方は全然訪ねていないし(ドイツに来ようとしている知人に全然アドバイスできません …)、こちらにいる間にヨーロッパの各国へ行ってみたいと思っています。

ドイツ初戦

そういうわけで、午後8時30分からドイツの初戦であるオーストラリア戦が ZDF(Zweites Deutsches Fernsehen:ドイツ第2放送という公共放送です)で放送されました。早めに夕食をとり、早めに風呂に入って家族全員で臨戦態勢です。夜間のゲームで南アフリカと時差がないのはうれしいですが、平日の昼間の試合が見れなくなるのは残念です。(日本対カメルーン戦しかり)

息子は基本的に REWE でもらったカードで選手の名前を覚えているようなのですが、バラックは出場できなくなってしまったし、レーヴは監督だし、ゴールキーパーのヴィーゼは控えだし … ということでちゃんと認識しているのはポドルスキと、ディフェンダーのフリードリヒくらいです。(まあ我々も認識としては似たようなものですが …)出場できなくなったバラックに代わってラームがキャプテンになると教えたら、ラームにも興味がいったようです。

試合は、すでに報道されていますが 4-0 でドイツが勝ちました。「ドイツはスロースターターなのでグループリーグで少しずつ調子をあげていく」と聞いていたのですが、まったく危なげない内容で、活躍すべき人が活躍して、見ていても楽しい試合でした。精度の高いパスをつないで流れの中で得点を決めるパターン、しかもそれがいろいろな形で披露されます。クローゼは何回も決定機を外していたので、もうちょっと点を取れた気もしますが(笑)。

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試合終了間近、夕食に使っていた食器を食器洗浄機で洗っていたところ、流しが詰まったようで台所が水浸しになってしまいました。我々は勝利の喜びに浸っていたのですが … おあとがよろしいようで …

ワールドカップを見るために

さて、ワールドカップ開幕です。以前、ボスから有料放送を契約しなくても大部分の試合を見ることができるということを聞きました。テレビの週間番組表を見てみると、ドイツ国内のテレビ局が分担して各日の試合を放送してくれているようです。ということで、とりあえず現在のテレビ番組受信環境で見ようかと考えているのですが、いくつか問題があります。

まず、いわゆる地上波デジタルの写りが悪い。今住んでいる家の壁に設置されているアンテナ端子とテレビのアンテナ端子を接続するとデジタル放送を受信することができます。特に問題がない時は綺麗に見ることができるのですが、かなり受信状態が悪くなることがあり、その時は映像がブロックノイズだらけになったり、音も不快なノイズになったりして、フラストレーションがたまります。

それから、これらの放送は衛星放送でも配信しているので、それらを受信してみるという手もあります。が、これも問題あり。今のところ、日本語放送が見られる「JSTV」をメインに受信しているのですが、この JSTV が配信されている放送衛星「HOTBIRD」ではドイツ国内の放送が配信されていません。別の放送衛星で配信されている放送を受信する必要があります。

一つの衛星放送受信アンテナで複数の放送衛星からの電波を受信するにはどうすればいいか?以下の URL に説明がありますが、2つの LNB がついているユニットがあるので、それをつけてやればいいようです。

http://www.jstv.co.uk/hint/005.php

2つの LNB の距離などによって受信できる放送衛星は限られてしまうようですが、幸いにも HOTBIRD からの電波を受信しながらドイツ国内向け放送を配信している放送衛星(SIRIUS)も受信できるようになりました。

バルトーク新全集(続)

まとめ買いしたバルトークの新全集ですが、今日ちょっと遅れて弦楽四重奏全集が届きました。

Bartok – The Six String Quartets

1998年にハンガリーで結成されたミクロコスモス弦楽四重奏団による演奏。個々の奏者についてはあまり詳しくないのですが、ハンガリーの巨匠クラスのメンバーが集結しているようです。

個人的には弦楽四重奏曲の第4番が大好きで、アルバン・ベルク弦楽四重奏団の演奏を愛聴していますが、このミクロコスモスSQの演奏は、アルバン・ベルクSQに比べると音にねばりつくような重さがあります。バルトークによる「楽譜に書かれていないニュアンス」を表現しようとしているようですが、それが念頭になかったとしても一つ一つの音に慎重に意味付けを行っているような演奏は非常に説得力があります。

ということで、このバルトーク新全集、かなりに気に入ってしまいました。突き進むか …