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演奏会その24: ハンブルク・フィル(第4回)
雨は夜更け過ぎに雪へと変わりました。 4. Philharmonisches Konzert Montag 14. Dezember 2009, 20:00 Uhr Dirigent: Rafael Frühbeck de Burgos Isaac Albeniz – Suite espanola (Orchesterfassung: Rafael Frühbeck de Burgos) Igor Strawinsky – Suite aus “Der Feuervogel” (Fassung 1919) Ottorino Respighi – Fontane di Roma Ottorino Respighi – Pini di Roma なんか、吹奏楽コンクールみたいなプログラムです。当初は予定になかったレスピーギの《ローマの噴水》も追加されたようなので、なおさらです。 指揮者のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスは1933年生まれとのことなので今年で76歳なのですが、ものすごくはつらつとした指揮をします。自身の編曲でもあったアルベニスの《スペイン組曲》の鋭いリズム感はいいですね。全体的な傾向として、速めのテンポで進み、聞かせどころでググッとテンポを落ち着ける、という作り方がどの曲でもみられました。あまり細かいことは気にせずにどんどんオケを引っ張っていき、肝心なところはしっかりコントロールする、という感じの指揮です。《ローマの松》以外はオーケストレーションも曲調も軽やかな感じなので、ぐんぐん前にいく感じは全然違和感ありませんでした。プログラム自体が多少短めのショーピース的な作品ばかりを集めたものだったので「こみ上げてくる感動」という感じではなかったのですが、どの曲も聞いていて楽しめる演奏でした。全体的な満足感は非常に高かったです。 《ローマの松》は、やはり燃えますね。ブラヴォーもたくさん出ました。ちなみに《カタコンブ》のトランペット・ソロはステージ上の奏者が舞台裏に移動して演奏していました。《アッピア》のバンダはステージの下手(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンの後ろあたり)に座って演奏していました。一応、多少はオケ本体の奏者との掛け合いがステレオ的に聞こえていました。そういえば、《ローマの噴水》が終わったあとで指揮者は退場せず、そのまま拍手が終わったら間髪入れず、という感じで《ローマの松》を振り始めました。これにはちょっとびっくり。
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今日買ったもの(シャンドス/ドアティ/シュニトケ)
私の中で一本の糸が切れてしまったようです … ハンブルク・フィルの演奏会へ行く前に SATURN に寄って CD を買ってしまいました。 Michael Daugherty: Metropolis Symphony 先日の演奏会でドアティを聞いて以来、ちょっとはまりそうです。《メトロポリス・シンフォニー》は ARGO から出ていましたが、これは NAXOS からリリースされたもの。カップリングは世界初録音の《デウス・エクス・マキナ》です。「デウス・エクス・マキナ」は直訳すると「機械仕掛けの神」という意味ですが、古代ギリシャ演劇などで最後の最後に超的な存在として物語を収束させる役割を持つ神のことを指すのだそうです、と「ノルウェイの森」の中でワタナベトオルくんも説明していました。 Milestones: 30 Years Of Chandos グラモフォンの箱を買ったので、シャンドスの箱も買わねば、ということで。30枚組です。シャンドスの CD は、グレインジャーの作品集(管弦楽、吹奏楽、室内楽)、吉松隆さんの作品集、ブライデン・トムソンによる RVW の交響曲全集、ティモシー・レイニッシュ/RNCMウィンドオーケストラによる吹奏楽作品集(そういえば、最近国別のアレって出ているんですかね?)、その他ウォルトン、アーノルド、ブリスなど吹奏楽でも演奏される作曲家の原曲、とかなりの枚数持っているのですが、このボックスとだぶっているのはレスピーギの《シバの女王ベルキス》(サイモン/フィルハーモニア管)だけのようでした。ラッキー。 Ten Symphonies それから最近 BIS から出たらしいシュニトケの交響曲全集。6枚組です。習作の第0番から脳卒中で右手が麻痺したので最後は左手でスコアを書いた絶筆の第9番まで10曲が収録されています。とりあえず第1番だけ聞いてみましたが、いわゆる多様式主義の作品でさまざまな音楽のスタイルが引用されます。失笑を禁じ得ませんが作品の持つエネルギーは凄いです。演奏もいいし、(ライヴなので)聴衆の反応もよく、最後のトラックには拍手と歓声のみが4分間に渡って収録されています。
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GIA新譜
久しぶりの吹奏楽ネタです。 明日からミッドウェスト・クリニックが開幕ということで、毎年恒例のユージン・コーポロンと北テキサス・ウィンド・シンフォニーによる GIA Wind Work Seriesがリリースされました。ドル安でもあるので、ごそっと注文してみました。届くのは年明けかなあ … 吹奏楽についてのアンテナが低くなってしまってからかなり経ちますが(というか、受信しようにもハンブルクには電波が来ていないのではないかという …)、久しぶりに聞いてみようかなと。 (CD-819) Musings Wild Nights! / Frank Ticheli Lullaby for Noah / Joseph Turrin Parody Suite / Steven Bryant Colorado Peaks / Dana Wilson Les Couleurs Fauves (Vivid Colors) / Karel Husa Sinfonia No. 4 / Walter Hartley Lone Star Twister / Donald Grantham やっと、カレル・フサの《レ・クレール・フォーヴ》(個人的には「フォーヴィスムの色彩」と訳したい)がこのシリーズで出ます。ドゥ・ノールがコンクールで取り上げた《パロディ組曲》も全曲収録される模様。 (CD-820) Archetypes […]