演奏会その23: 小曽根真+NDR

Samstag, 12. Dezember 2009
20.00 Kampnagel K6

Dirigent John Axelrod
Makoto Ozone, Klavier

A HIGHWAY TO RHYTHM

Kurt Weill Suite aus de “Dreigroscheoper” – Ouvertüre, Moritat, Liebeslied, Ballade vom angenehmen Leben, Pollys Lied, Kanonen-Song
Leonard Bernstein Prelude, Fugue and Riffs
Michael Daugherty Dead Elvis
George Gershwin Rhapsody in Blue
(encore von Makoto Ozone) Three minutes waltz

(pause)

JAZZ mit Makoto Ozone und der NDR Bigband (Leitung: Jörg Achim Keller)

まさか、ハンブルクで小曽根真さんのピアノが聞けるのは思ってもいませんでした。ドイツに来た直後にチケットを買って楽しみにしていた演奏会です。てっきり Rolf-Liebermann-Studio でやると思っていたのですが、当日チケットを確認したら Kampnagel とのこと。ここはどの鉃道路線からも遠いので車で行くことにしました。以前来た時はなかなか車が停められなくて大変だったのですが、実は会場併設の有料駐車場があることに気付きました。まあ、ここに入れた方が余計な気を使わなくてすみます。

1曲目はクルト・ヴァイルの《三文オペラ》からの抜粋。管楽アンサンブルのために書かれた《小さな三文音楽》とも少し曲目構成が違っています。ヴァイルが意図したことなのかも知れませんが、弦楽が入るといわゆる「ムード音楽」っぽくなって緩くなってしまいます。個人的には《小さな三文音楽》の切れ味が好きなので、この楽譜を演奏して欲しかったような気もします。

2曲目はバーンスタインの《プレリュード、フーガとリフ》。何かに取り憑かれたかのようなテンションの高いクラリネット・ソロが素晴らしかったです。いい演奏だったのですが、どうせならビッグバンド編成のこの作品はNDRビッグバンドのメンバーで演奏した方がよかったと思います。特に「リフ」のフレージングがビッグバンドではなく、クラシックのそれだったので。

3曲目はマイケル・ドアティの《デッド・エルヴィス》。ファゴット・ソロと、ヴァイオリン、Ebクラリネット、トランペット、打楽器、トロンボーン、コントラバスという編成です。ドアティの金管+打楽器アンサンブル作品《モータウン・メタル》と、(吹奏楽にも編曲されている)《メトロポリス・シンフォニー》の終楽章《レッド・ケープ・タンゴ》を足して2で割ったような曲調です。(またしても例の)「Dies Irae(怒りの日)」をモチーフに、疾走感のあるリズムや時おり交じるロッカバラードの中でエルヴィスに扮して登場したファゴット奏者がソロを取ります。コントラバスがコル・レーニョでランニングベースを弾くのが印象的でした(途中でへたって失速してしまいましたが …)。ファゴット奏者の演技が面白くてかなり盛り上がりました。オケのメンバーも大部分が暇なわけで、ステージの端で見ながら拍手喝采していました。

4曲目が小曽根さんのソロによるガーシュウィンの《ラプソディ・イン・ブルー》。これだけ前の曲で「持っていかれる」となかなか大変かなあ、と感じたのですが、やりたいことをやりつつもエゴイスティックにならずに指揮者や奏者や聴衆の反応を見ながら「ニヤリ」とさせるようなソロで引き込んでいきました。個人的には中間部への導入の持って行き方が印象的でした。「動」のあとの「静」、あのパートであれだけ息が詰まるような緊張感が出せるのはすごいです。

“This is three minutes waltz.” と言って弾き始めたアンコールは、ショパンの《子犬のワルツ》をモチーフにしたインプロヴィゼーション。(そういえばブログにショパンを録音したようなことが書かれていました。)

休憩をはさんだあとはビッグバンドによるステージ。ううん、あまりうまくないかも。PAのせいかも知れませんがバランスが悪いです。中盤で小曽根さんが出てきてピアノ・トリオ(ベースとドラムはNDRビッグバンドのメンバー)を3曲演奏しました。演奏前の司会者のトークで小曽根さんがジャズピアノを始めるきっかけとなったのはオスカー・ピーターソンのコンサートを見に行ったから、とあったので1曲目は《Dear Oscar》、2曲目はアントニオ・カルロス・ジョビンの曲だそうですが知らない曲でした。3曲目も聞いたことがあるので小曽根さんのオリジナルだったと思います(タイトル失念)。

「席、ここでいいんだっけ?」と聞かれたことをきっかけに隣りに座っている人と話をしました。日本食レストラン「あかり」の近くに住んでいるとのこと(笑)。ふだんライスハレにNDRを聞きに行っているんだけど、Kampnagel で聞くのは初めて、と言っていましたが、小曽根さんの演奏は本当に素晴らしかったと言っていました。

2 thoughts on “演奏会その23: 小曽根真+NDR

  1. ながぐつ

    こんにちは。
    小曽根真さんのラプソディ・イン・ブルー、前にテレビで大阪のどこかのオケの伴奏で弾いているのをみたことがあります。ハンブルグで生演奏するとは。国際的にご活躍なんですね。イージーリスニングからクラシックまで、幅広いですね~

  2. musicabella 投稿作成者

    ながぐつ様:

    その番組、私も見たかも知れません。録画したけど消しちゃったかなあ?確か、ちょっとオケの腰が重くてあまりいい演奏ではなかった気がするので。

    よくよく思い返してみると、確かに小曽根さんは演奏ジャンルの幅が広いです。ピアノ・ソロでデビューして、師匠であるヴィブラフォン奏者のゲイリー・バートンとのデュオ、自身のグループ(トリオ、カルテット)、シンセを弾いてフュージョンに近づいたこともありました。最近は No Name Horses というビッグバンドを作ったり、クラシック方面も《ラプソディ・イン・ブルー》だけでなくモーツァルトの協奏曲などもやっています。トークの中で、最近ジュリアード音楽院でちゃんとクラシックを学んだとおっしゃっていました。

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