祝・(やっと)リマスターで単独発売記念! ….. ということで、ちょっと前に NHK-BS から録画したものを見た。
主人公トラヴィスのとことん不器用な生き方にはとても共感できないし、現実味も感じないのでラストシーンでの感動というのはあまりない。
しかし、この映画には、映画というメディアのみが提示することができる素晴らしい瞬間がいくつもある。前にも似たようなことを書いたけど、単なるス トーリーテリングは映画ではない。例えばカメラワークであったり、音楽であったり、セリフであったり、そういう技巧があるからこそ映画なのではないか。
例えば、久しぶりに会ったぎこちない父子がお互いに道路の両側の歩道を歩きながら家まで帰るシーンとか、切々と復縁を訴える男を捉えずに、それを聞いて変わっていく女の表情のみを捉えているシーンとか、さすがだと思う。(他にもいっぱいあるけど。)
主人公の決断によって、映画の途中で何となく(ハッピーエンドではない)ラストシーンが想像できてしまう。その通りに終わって欲しくないと願いつつも、その通りに終わってしまう無常感。深い映画です。
しかし、ナスターシャ・キンスキーは美しい。