月別アーカイブ: 2006年6月

ビートルズ来日40周年

ビートルズがJALのハッピを着て真夜中の羽田空港に到着したのはちょうど40年前だった。

私がビートルズ来日公演の演奏を初めて聞いたのは中学生の時で、某ファンクラブが販売していたカセットテープを買ったのだった。(今から考えるとかなりやばい商売ですな)

当時、ビートルズを聞き始めたばかりの私にとって日本公演はそんなに面白いものではなかった。まず選曲。《抱きしめたい》とか《シー・ラヴズ・ ユー》とかといった超有名曲は演奏されなかった。超有名曲で演奏されたのは《イエスタディ》くらいだったのだが、もともと弦楽四重奏+ポールのギターで演 奏されている曲をビートルズの4人がやるのは無理がある。8ビートのドラムが入ったとたんに何だか安っぽい音楽になっていてがっかりした覚えがある。

その頃のビートルズは人前で演奏することに全く興味を失っていて、その2ヵ月後にはライブ活動を停止してしまう。だから演奏には全く身が入っていなかったのだ ….. ということを知るのはさらに数年後であった。

この日本公演で聞くべき部分があるとすれば、チューニングから間髪入れずにイントロのカッティングにつながるオープニングの《ロックンロール・ミュージック》だけかも知れない。

あと、この日本公演の映像作品(確か DVD にはなっていませんよね?)でもっとも有名な場面かも知れない、夜明けの首都高をパトカーに先導されながらホテルへ向かう映像にかぶせられる《ミスター・ムーンライト》もかっこいい。

水曜日に休んだら何をしよう?

訳あって有給休暇を取得。

ずっと前から予定されていたことはいえ、かなりグロッキーの状態だったのでちょうどいいリフレッシュになる。

録画しておいた「スペイン対フランス」を見る。 スペインが勝つと思いきやフランスの貫録勝ち。 録画した試合を見るときには適当に早送りすることが多いのだが、これは見入ってしまった。

フランスのベテランのがんばり。 誰もが「ジダン最後の試合」はできるだけ後ろにしたいと思っているのだろう。

次はブラジルとの準々決勝。 この組み合わせは1998年フランス大会の決勝を思い出す。 ジダンの華麗なヘッド二発でブラジルを圧倒した試合だ。 まだまだ本気を出していないブラジルとモチベーションのあがってきたフランス。 これも楽しみ。

決勝トーナメントに入ってからことごとく予想が外れているのだが、紙一重でどちらにも転ぶ可能性があるということなのだろう。

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ほぼ一日息子と付き合わないといけないので車に乗せてつれ回すことにする。

まずは、どうしても「PLUTO」の原作である鉄腕アトムの「地上最大のロボット」が読みたくて、「PLUTO」第1巻の豪華版を買う。

PLUTO 1 (1) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャル

第1巻はそのアトムのエピソードがついてくるのでまだ付加価値は高いのであるが、第2巻以降の豪華版の付録ははっきり言ってしょぼい。第1巻を豪華版で買ってしまうとそのあともズルズルと … となりそうなので怖いのであるが、今のところは大丈夫そうだ。

その「地上最大のロボット」はシンプルなストーリーだし、年少の読者を想定しているせいかセリフもいくぶん説明的なのであるが、やはり素晴らしい。 また、これを読むと「地上最大のロボット」のプロットの「PLUTO」への配置と、「地上最大のロボット」に登場するロボットに関する「PLUTO」でのストーリーの膨らませ方の見事さがわかる。

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立ち寄ったCDショップのワゴンセールで買ったもの。1枚280円。

Uh-Oh

デヴィッド・バーンのソロ・アルバム。 トーキング・ヘッズの頃に比べると、わりと素直にラテンとかファンクを消化しているように思える。直球勝負しながらもわずかにトーキング・ヘッズの残像が見える。物足りないと言えば物足りないが、リラックスして聞くにはいいのだろう。

Strawberries Oceans Ships Forest

ポール・マッカートニーが変名で出したテクノ・アルバム。 どんなんだろう?

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夕飯はお寿司とシャルドネ。辛口のシャルドネは魚介類に合う。 幸せで飲み過ぎてしまいました。

PLUTO

オランダ敗退 … 日本が予選敗退した時よりへこんでます … 前にも書いたけど、今大会はオランダとポルトガルに注目していたのでもうちょっと上で当たって欲しかったなあ。おまけにもうちょっとゲームコントロールできる審判でやって欲しかったなあ …

噂に聞く手塚治虫×浦沢直樹の「PLUTO」を借りて読む。素晴らしい。

「鉄腕アトム」のエピソードの一つ「史上最大のロボット」を下敷きに浦沢直樹が新しいストーリーを展開しているものらしい。

最初から遥か遠くにある終末を見据えたストーリー展開。表現的にはかなり抑制されているように思えるが、裏に隠れている壮大なストーリーに対しては、このくらいの穏やかな語り口の方がかえって緊迫感がある。原作も読んでみた方がいいのかなあ?

突然、アトムやウランやお茶の水博士といったお馴染みのキャラクターが顔を出すのが面白い。

最初の方はそれぞれのロボットの短いエピソードが挿入されるような形になっているのだが、音楽を扱った「ノース2号」のエピソードが印象的。

映画化すれば確実に「ブレード・ランナー」より売れそうな気がする。

I’m so tired

金曜日は早朝のブラジル戦→仕事→飲み会、土曜日は散髪→子守り→吹奏楽団の練習→深夜までの演奏会実行委員会、そして今日は7時からの草刈りと午前中は金管分奏。

全然休めないぞ ……

TIMES SQUARE~Live at STB 139~

エリック宮城率いるビッグバンド EM バンドのライヴ盤。 直筆ビッグバンドスコアの複製がもらえるというので買ってしまった。

ライヴ盤ということでラフな感じであるが、そのラフさがいい具合に出ている。

今日の積志ウィンドアンサンブル

午前中、髪の毛を切りに行く。 本当に髪の毛を切ってもらっている時くらいしか本を読めない今日この頃。

村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。 (PHP新書)

三島作品はほとんど読んだことがないので、表題のような筆者の考察の妥当性は評価できないのだが、解読の手法として面白いことは面白い。さすがに全てを鵜呑みにすることはしないが「解読とこじつけは紙一重である」ということを意識させられる。

そういえば、その昔、マーラーの交響曲の系譜とショスタコーヴィチの交響曲の系譜の類似性を指摘する作曲者がいた。最初に古典的な構成を持った曲を 書いて、声楽を使って、純音楽に戻り、大規模な作品を書いて、最後はまた純音楽に戻る、という流れが似ているというのである。これはそれなりに納得すると ころがあったのだが、そのあとでマーラーの交響曲とワーグナーのオペラを比較した時には「さすがにそれは無理があるだろう」と思った。

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積志ウィンドアンサンブルの練習はジェイガーの《交響曲》の合奏。

部分部分をチェックして、全曲を通して終わろうと思ったら全然時間が足りない。 「漫然と通すよりは本当に集中してやった方がいい」と途中で判断して、チェックポイントのチェックだけにした。部分部分を取り出すとうまくいくのだが、20分以上音楽を積み重ねて到達した時にちゃんとベストの演奏ができるかどうかが課題である。集中力を失ったときのちょっとしたミスで流れががらっと変わってしまう危険性についてはサッカー日本代表が身を持って示してくれたし :-P。

伊藤康英さんが浜松交響楽団の創立30周年のために書いたファンファーレの楽譜と参考演奏CDを入手。

トランペット飲み会

積志ウィンドアンサンブルのトランペットパートの新人歓迎会。

ここ数年は指揮ばっかりでトランペットは全く吹いていないのであるが、一応トランペットパートに籍を置かせていただいているので声をかけていただいた。

コンスタントに人員が増えているので、人口増加率はうちのバンドでいちばん高いのではないかな?というか、しばらく宴会をやっていなかったような気がするので今回歓迎されるのは何人なんだろう(笑)?

参加者は11名(だったかな?)。もうちょっとがんばればヤナーチェクの《ソコール・ファンファーレ》(《シンフォニエッタ》の第1楽章)が出来るじゃん、とか思った。

しかし、4時に起きてブラジル戦を見て、会社で仕事して、その後の宴会というのはなかなか辛い。一次会で帰らせていただきました。

虹伝説/ブッシュ・オブ・ゴースト

机のまわりを整理していたらCDギフト券が発掘されたので、「これは使わねばなるまい」と思いタワーレコードへ。

虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS(紙ジャケット仕様)

ブログには書き忘れていたが、サンタナの《ロータスの伝説》(例の22面ジャケット!!)を聴きながら、ふと思い出したのがこのアルバム。

アルバムは中学生の頃に友人に借りた。同名の絵本に音楽をつけたものということで当時話題になっていた。耳で聞くファンタジーというところか。「な ぜ日本語で歌うねん?」「なぜラテンやねん?」というツッコミもできないことはないのだが、アルバム全体を覆うトータル感と、最終曲《You Can Never Come To This Place》の壮大なフィナーレ感が感動的。

My Life in the Bush of Ghosts

まあ、ブライアン・イーノとデヴィッド・バーンが一緒に作ったアルバムを私が気に入らないわけがないのであって …..

トーキング・ヘッズの名作「リメイン・イン・ライト」と双子のような位置付けのアルバムらしい。「リメイン・イン・ライト」ほどのプリミティブなパワーはないが、それよりもクールな感じがする。

体操教室/武満徹/今日の積志ウィンドアンサンブル

午前中、近くの保育園(まだ通園しているわけではない)の体操教室に参加。

開始時間の午前10時はそろそろ眠くなるので機嫌が悪い。少しぐずり気味で全然人のいうことを聞かない。勝手にステージの上に上って太鼓を叩き始めたり、引き戸の扉を開けようとしたり。

体操をする以前に、勝手に走り回る息子を押さえるために必要以上に疲れた …

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その後、先日注文しておいた楽譜を取りに行く。

SJ1159 武満徹 シグナルズフロムヘヴン

武満徹さんの金管アンサンブル曲である。最近出版されたのに気付かなかった。

《シグナルズ・フロム・ヘヴン》は《デイ・シグナル》と《ナイト・シグナル》からなっており、どちらも2群に分かれたブラス・アンサンブルが短いモチーフをアンティフォナルに演奏する作品である。(副題は「2つのアンティフォナル・ファンファーレ」)

私は《デイ・シグナル》だけ演奏したことがある。この楽譜には各パートが別々のタイミングで楽器のベルを高く持ち上げる(bell in air)という指定がある。11本の金管楽器がそれぞれにベルをかざす動作は見た目にもかなり印象的なのではないかと思う。

武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル Vol.13

前にも書いたが、以前は非常に先駆的な役割を担っていたこのシリーズも、海外の新譜CDがほぼリアルタイムで簡単に手に入る時代になってしまったために、あまりインパクトがなくなってしまった。

逆に、すでに廃盤になっている過去の作品(貴重な録音)をまとめて出したりする方が市場のニーズには合っているのではないかと思う。(いかがでしょう?ソニーさん)

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夜、吹奏楽団の合奏。《ロシアン・ダンス組曲》(ケース・フラク)。第3楽章のアッチェレランドのタイミングを変えてみる。まだ多少不安定だが棒にはついてきてもらっているので何とかなるだろう。第4楽章「トレパーク」は前回の通し練習での課題が克服され、かなり前ノリになってきた。

自分の指揮姿

前回の通し練習で録画した自分の指揮姿を見る。

毎度感じることであるが、「完全に手を抜いて振っている瞬間」の方が見た目に美しい。念のため言っておくと「手を抜いて振っている」というのは演奏 者の流れに委ねているのであって、「何にも考えていない」という意味ではないので ….. 時として「振り過ぎる」と自然に流れている音楽を妨げることもあるのだ。

余分な力が入っていることは自覚しているのだが、演奏者をドライブしていこうとして無理矢理流れを作るとかえって棒が曖昧になるような気がする。

「振り過ぎない勇気」が必要だ。

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指揮者の佐藤功太郎さん死去。

活動はあまり存じていなかったのだが、フォンテックからリリースされている矢代秋雄の《交響曲》のCDがあった。合掌。

相次ぐ訃報(リゲティ/岩城宏之)

新聞社のウェブでジェルジ・リゲティが亡くなったことを知ったちょっとあとに、岩城宏之さんが亡くなったというニュースも飛び込んで来た。

リゲティといえば、映画「2001年宇宙の旅」で使われた《ルクス・エテルナ》や《アトモスフェール》あたりが有名なのか。オペラ《グラン・マカブル》も聞いてみたい(見てみたい)のだが …..

最初に聞いたのは13奏者のための《室内協奏曲》だった。硬派だった時代のバルトークをもっと硬派にしたような第一印象だった。

岩城さんは指揮されている映像はかなり見てきたし、エッセイもかなり読んでいたのだが、実演に接したのは2005年12月に聴きに行った東京佼成ウィンドオーケストラの演奏会だけだった。ステージ袖から登場する姿が余りに弱々しくてびっくりしたことを記憶している。(この演奏会、確か WOWOW が録画していたらしいんだけどなあ … 放送しないのかなあ …)

天国には岩城さんの友人がたくさんおられるから、新入りの岩城さんは挨拶回りが忙しいだろう。(たしか、誰かの追悼番組でこんなことをおっしゃっておられた。)

佼成との顔合わせで以下のような録音を残していただけたのは貴重な財産である。

「トーンプレロマス55」~黛敏郎管楽作品集 / フェスタ

合掌。