日別アーカイブ: 2006 年 1 月 15 日

ブーレーズ・フェスティバル

粛々と8mmビデオのDVD化を進めている。

とりあえず「ブーレーズ・フェスティバル」全6回のDVD化が完了した。

1995年に東京(およびその周辺)で開催されたフェスティバルをNHK-BSが3週に渡って放送したものである。各回は前半と後半に分かれていた ので 3 * 2 = 6 本のテープに録画した。確か、所属する吹奏楽団の定期演奏会の前日(というか深夜番組だったから当日になるのか)に放送されていて、次の日が本番だったに も関わらず深夜まで起きていてテープを交換した覚えがある。

放送されたのは20世紀に書かれた作品ばかりで、古くはバルトーク(《中国の不思議な役人》《ピアノ協奏曲第1番》)、ストラヴィンスキー(《春の 祭典》《詩篇交響曲》)、ラヴェル(《クープランの墓》《マ・メール・ロア》《ダフニスとクロエ》)から、シェーンベルク(《室内交響曲》)、ベルク (《室内協奏曲》《アルテンベルク歌曲集》)、ウェーベルン(《パッサカリア》、バッハの編曲《6声のリチェルカーレ》)らの新ウィーン楽派を経て、メシ アン(《クロノクロミー》)、ベリオ(《シンフォニア》)、それからもちろんブーレーズ自身の作品(《弦楽のための本》《レポン》)までといった内容であ る。

ブーレーズの指揮は指揮棒を使わず、極力無駄な動きを排している。 指揮者のオーバーアクションは音楽の妨げになると言わんばかりに、とにかく演奏者に対する指示を最優先させた指揮である。 指揮が音楽を表現するのではなく、あくまでも指揮によって制御された演奏者が音楽を表現しているという感じである。 だから、出てくる音楽が非常にすっきりしているのかも知れない。 あそこまでストイックに振るのは、よほど達観していないとできないよなあ。