フォルマント兄弟ピザを頼む

Computer Music Journal – Sound and Video Anthology

会社の図書館で見つけた DVD。

「Computer Music Journal」という少々お堅い雑誌に付録としてついているもので、日本におけるコンピューター音楽の状況を紹介するような内容になっている。監修しているのは国立音楽大学の莱孝之先生。

本当は昨年の芥川作曲賞を受賞した三輪眞弘さんの《村松ギヤ・エンジンによるボレロ》についての情報をウェブで探していたのであるが、こちらも引っかかったのである。

フォルマント兄弟とは、その三輪眞弘さんと佐近田展康さんによるユニット。 DVD には、この兄弟が2003年11月に行った《兄弟deピザ注文》というパフォーマンスが収録されている。

これは宅配ピザ屋に電話をかけ、人工音声によるコミュニケーションでピザを発注するという、史上初(!)の試みである。

もちろんライブなので、ピザ屋さんと人工音声のやり取りに対する観客の反応、無事注文を終えたあとの三輪さんのガッツポーズ、30分後、無事ピザが到着した際の拍手喝采、などが面白い。

以前、《SendMail》という三輪さんのパフォーマンスを見たことがある。 楽器が演奏する楽音をアルファベットに変換して電子メールを作成するというものである。ご丁寧にモデムをコントロールするためのATコマンド(って、もう 知っている人少ないんだろうなあ …..)も「演奏」してプロバイダに接続するところ(って、電話をかけてプロバイダに接続したことがある人も減っているんだろうなあ …..)から始めるのである。私が実演に接したのは曽我部清典さんのトランペットによるバージョン(確か version 3?)だったのだが、初演はサクソフォンだったらしい。この初演は CD 化されている。

どちらも、技術的な試みとユーモアと社会風刺が絶妙のバランスで成り立っている作品だと思う。

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