今年からバンドクリニックが浜松で開催されるようになったので初めて参加してみることにした。
第一日目の金曜日は夕方から行なわれるコンサートが主なイベントである。会社が終わって直行したのだが、ちょっと時間があったので販売ブースに行っていろいろ物色する。
まずは音楽之友社から出版されている邦人作品の楽譜で大幅ディスカウントされているものがあったので、少し思案してから以下のものを購入した。
北爪道夫/吹奏楽のための「風の国」
小山清茂/吹奏楽のための「琴瑟」
CD はどこででも見かけるものが多いので、あまり食指が動かない ….. と思ったら …..
バレエ組曲「青銅の騎士」全曲集/関西学院大学応援団総部吹奏楽部(日本パルス / PACD-0003/4)
仲田守編曲のバレエ組曲「青銅の騎士」全曲を初めて収録したCD(らしい)。それよりも《交響的断章》(1999年改訂版)(保科洋)の方が気になる。
また、音楽大学も学生勧誘のためにいろいろな資料を用意している。尚美が配布していたCD(なんと配布していたのは佐藤正人さん)には卒業生である渡部哲哉さんや坂井貴祐さんの作品が自作自演で収録されているし、大阪音楽大学のDVD(!)には2005年度の課題曲全曲、ホルストの《木星》などが収録されている。
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というわけでアクトシティ中ホールでのオープニングコンサート。
東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
CD にもなっている《スパイラル・タワー》(鈴木英史)、今年の自由曲(とカミングアウトしていた)《七つのヴェールの踊り》(シュトラウス)、《ラテンスペシャル21!!》以外はオリジナル作品やニューサウンズインブラスの新譜を披露。
オリジナル作品の新譜は印象に残るものが少なかったのだが、《ロシアン・ダンス組曲》(ケース・フラク)が面白かった。その名の通り、ロシアの舞曲のスタイルを模した小曲を集めた組曲で、比較的編成を絞ったサウンドがいいのではないだろうか。
ニューサウンズの新譜《Mr.インクレディブル》は大編成ながらきちっとまとまったサウンドがよい。《ラテンスペシャル21!!》はラテンナンバーを集めたメドレー。サウンドは申し分ないのだが、あれだけの人数で躍りまくられるとちょっと見ていて疲れるなあ。
ヤマハ吹奏楽団浜松
こちらもオープニングの《エヴリデイ・ヒーロー》(ティモシー・マー)は新譜。いかにもマーらしい透明感あふれるサウンドをきれいにまとめていた。
《シンフォニック・ガーシュイン》(ガーシュイン/ウォレン・バーカー)って前から出ていなかったっけ?《ラプソディ・イン・ブルー》《パリのアメリカ人》《キューバ序曲》などガーシュインの作品を使った、メドレーというよりはパラフレーズという感じ。ポップスではなく、かしこまったレパートリーとして使える作品ではないか。
《「ヴェニスの謝肉祭」変奏曲》はウィントン・マルサリス/ドナルド・ハンスバーガー/イーストマン・ウィンド・アンサンブルの組み合わせで録音されたハンスバーガー編曲を取り上げたもの。ソリストは神代修。やはり生で聞くと楽しい。「ブラヴォー」も出た。
角田健一編曲による《スウィング・モーツァルト》は昨年末のポップス・コンサートで初演されたものの短縮版。モーツァルトを素材に使ってスウィング調に編曲したものなのであるが、ちょっと直球勝負すぎて新鮮味に欠ける気がする。技巧的にはかなりの難曲なのだがあまりそれが報われないのではないか。
(後日付記:《エヴリデイ・ヒーロー》は新譜ではありませんでした。2000年の出版です。)
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このあと、エリック宮城率いる EM バンドのコンサートもあったのだが、残念ながら所用のため帰宅。
いっぱい資料をもらったり楽譜を買ったりすることがわかっていたのに自転車で行った私は馬鹿でした。肩がちぎれるかと思った …..