先日代金を送金した楽譜とCDが送られてきた。昨年の11月に初演されたシュワントナーの最新吹奏楽作品《リコイル》である。氏の出版社である Atherton Hill Press(http://www.athertonhillpress.com/)から購入した。
(後日付記)シュワントナーのホームページは以下に移動したようです。上記のリンクは無効です。
吹奏楽作品といっても、いわゆる三部作《そして、どこにも山の姿はない》《暗黒の一千年代》《夕暮れの静寂の中で》は、ほぼ4管の管楽オーケストラのために書かれていた。したがってサクソフォンやユーフォニアムは含まれていない。(あれ?コンクールで演奏している団体は …..)この《リコイル》はシュワントナーとしては初めての「普通の」吹奏楽編成のために書かれた作品となる。氏の作品に必要不可欠なアンプつきのピアノは含まれているが。
「導入部 – ミニマルっぽい主部 – 中間部 – 再現部」という構成は前作《夕暮れの静寂の中で》に似ていなくもない。ただ、《夕暮れの静寂の中で》が比較的穏やかな曲想だったのに対して、《リコイル》は主部の荒々しさと中間部の静寂さの対照がより大きい。主部では 7/8 拍子で複数のバスドラムで叩かれる暴力的なリズム・オスティナートが印象的であるし、中間部では2部に分かれた歌詞のないコーラス(女声の音域なので男性が歌う場合はファルセットでという指定がある)が使われている。
《夕暮れの静寂の中で》のスコアを見た時にも思ったのであるが、この変拍子の中でベルトーン的なアンサンブルを合わせるのはかなり難しいだろう。また、フレーズが変拍子の裏拍から入っていたりしているので、なかなか変拍子のリズムに乗りにくい。