日別アーカイブ: 2005 年 2 月 23 日

吹奏楽・電子音楽・坂本龍一・などなど

出張。例によってTOWER新宿店へ。

Journey

グレインジャーの《リンカンシャーの花束》が入っていたので。近年の録音では珍しく第3楽章はバージョンA(ソプラノサックスではなくフリューゲルホルンがソロを吹くバージョン)だった。

マルティヌーの管楽合奏とチェロのための《コンチェルティーノ》は久しぶりに聞いたらなかなか面白かった。

Phantasticke Spirites

表題作はドナルド・グランサムの作品で、このCDの演奏が世界初演。他にもスティーヴン・シュミットの《スピン》、ラン・ゲイラーの《サマラ》も世界初演。他にもグランサムの《ケンタッキー・ハーモニー》(これは《サザン・ハーモニー》の続編のようなもの?)、ティケリの《アメリカン・エレジー》、ウィテカーの《オクトバー》など近年の注目作が多く収録されている。演奏は今一なのだが …

Dances with winds(Royal Northan College of Music Wind Orchestra)

RNCM ウィンドオーケストラのおそらく最新盤。舞曲を題材にした吹奏楽作品を幅広く集めている。近作ではともにイギリスの作曲家であるケネス・ヘスケスの《ダンスリーズ》、アダム・ゴーブの《イディッシュ・ダンス》(この作品だけ「初録音」と銘打たれているのがちょっと違和感あるが …)、他にはギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスの《9つのギリシャ舞曲》とアメリカの作曲家ジョン・コリリアーノの《ガゼボ・ダンス》が収録されている。

スカルコッタスのギリシャ舞曲はもともと管弦楽のために書かれた36曲の中から作曲者自身がギリシャの軍楽隊のために編曲したものなのであるが、これこそ全曲録音されるのは初めてなんじゃないのかなあ?ちなみに管弦楽版全曲は BIS から出ている模様。これも聞いてみたい。

French Ballet Music of the 1920’s

1920年代にフランスの作曲家の合作で作られた2つのバレエ音楽《ジャンヌの扇》と《エッフェル塔の花嫁花婿》が収録されている。

前者はラヴェル、フェルー、イベール、ロラン=マニュエル、ドゥラノワ、ルーセル、ミヨー、プーランク、オーリック、フローラン・シュミットの10人、後者はいわゆる「六人組」のオーリック、ミヨー、プーランク、タイユフェール、オネゲルの5人(デュレは「六人組」を脱退していたため参加しなかった)による合作である。

雲井雅人によるシューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」あふれる歌へのオマージュ

シューベルトの歌曲である《冬の旅》を、アルトサクソフォンとピアノと歌&ナレーションに編曲したものが収録されている。ピアノと編曲は伊藤康英さん、ナレーションのテキストはリンボウ先生こと林望さん、舞台演出は松本重孝さん。

康英さんとリンボウ先生のコラボレーションは歌曲《あんこまパン》に始まり、数々の歌曲や交響詩《時の逝く》なども生み出しているし、松本重孝さんは康英さん初のオペラ《ミスター・シンデレラ》の演出も手がけている。そういった多方面の人脈がここに結集したという感じか。ぜひ舞台で見てみたいものだ。

貴志康一 バレエ音楽「天の岩戸」

28才で夭折した作曲家・貴志康一の60分にもおよぶ大作、バレエ音楽《天の岩戸》の世界初演(2004年9月)を収めたCD。作曲されたのは1932年から1935年の間というから、およそ70年の間眠っていたわけだ。

貴志康一の名前は以前から知っていた。戦前にベルリンに留学して、25歳でベルリン・フィルの演奏で自作を指揮したらしい。どんな音楽を書いていたんだろう?

葵の上|湯浅譲二

OMEGA POINT からリリースされた湯浅譲二の電子音楽作品集。http://www.web-cri.com/ でいろいろ批評されていたので聞いてみたくなった。

Microphone

デヴィッド・チュードアが制作した電子音楽の古典的作品。TOWERによると今回なくなったら入荷未定とのことなのでとりあえず確保。ちなみにチュードアはジョン・ケージの《4分33秒》の初演者(笑)である。

Moog

シンセサイザーの生みの親であるロバート・モーグ博士のドキュメンタリー映画「MOOG」のサントラ盤。1枚目の方のメンツは STEREOLAB くらいしか知らないのだが、MOOG の旗の下に集まってきた人たちなのだから、きっと面白いのだろう。「CLASSIC TRACKS」と題されたボーナス・ディスクでは ELP とか、DEVO とか YES とかが並んでいる。

Replay Debussy

ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》を材料にしたリミックスのコンピレーション・アルバム。CCCD だったのだが涙を呑んで購入した。

坂本龍一やピエール・アンリなども参加。

物語のようにふるさとは遠い

まだ芸大大学院在学中だった教授(作曲・編曲)と、現代詩人である富岡多恵子(唄・作詞)のコラボレーションの初CD化。バックを務めているのは吉田健とか斉藤伸雄(って斉藤ノブ?)とか茂木由多加といった実力派。

 

Astor Piazzolla 10 CD-Set [Box Set]

得体が知れないブツだが、ピアソラのCDが10枚で1460円だったので思わず買ってしまった。クラシックの演奏家が演奏するピアソラとか、ムード音楽みたいなバッハとか、変に別のジャンルに持って行かれてソフィスティケイトされた音楽はあまり好きではない。とりあえずはオリジナルに当たらないと。

WHO IS AFRAID OF 20TH CENTURY MUSIC? (Complete Edition + Bonus CD)

指揮者インゴ・メッツマッハーがハンブルク国立フィルと組んで毎年大晦日のジルベスターで行っていた「20世紀音楽は怖くない」が、全部まとめて、ぐっと安くなって、ボーナス・ディスクもついて再発売された。

ボーナス・ディスクはメッツマッハーのインタビューと、コンサートでの演奏前の曲目紹介などが収録されている。当然どちらもドイツ語である。曲目紹介のあとに拍手があって曲が始まるのだが、ほとんどがフェードアウトしてしまう ….. というかなり微妙なボーナスである。パッケージからはボーナス・ディスクの内容がわからないので、半分ギャンブルのつもりで買ったのであるが、すでに持っている人は注意すべし。
まだ1枚も持っていない人は、過去のCDは入手しにくくなっているし、値段もかなり安くなっているのでチャンスかなと。